りゅう

ダーマーのりゅうのレビュー・感想・評価

ダーマー(2022年製作のドラマ)
3.0
凄まじい実在の事件をドラマ化。
戦争、コロナ禍、ストレスが増えた現在、これくらい刺激の強いものでないと「味を感じない」くらいに、感覚が麻痺してきているのかも。

こういう、モデルがいる場合には珍しく、実際のジェフリー・ダーマーの方がハンサムであると思う。

元々、平山夢明の「異常快楽殺人」「トゥルークライム」を読んでいたので事件の内容については、知っていた。

ドラマでは、
当時のスラムの状況、軽んじられる有色人種の命、同性愛者への差別なども描いて欲しかった。


ジェフリーは二頭筋、ポテト、バドワイザーの組み合わせが好きだったらしいが。
ドラマでもよくバドワイザーを飲んでいる。
うーむ、バドワイザー社から何か言われたりしないのだろうか。
殺人鬼の愛飲するのがバドワイザーというイメージが発生するのでは。
アメリカの低所得者の象徴なのだろうが。




1話
ジェフリーの気持ち悪さの表現が良い。
何を考えてるか分からないように見えるが、殺意にに関してはチラチラと見えるのだ。
前半の黒人を殺そうと目論むシーンなど凄い緊張感がある。静かな怖さがある。

警察から呼び出されるジェフリーの父。
最悪な情報を叩き込まれる父親。
初めは、殺人未遂と聞いて、息子が被害者だと思って警察に行ったのだが。
・息子は殺人未遂の加害者であること。
・逮捕自体は殺人未遂だが、殺人をしていたことが判明していること。
・死体を食べていたこと。

など、次々に晒される残酷な事実。
父親は自殺してもおかしくないだろう。


2話
過去編。ジェフリーの小学生時代。
自殺未遂をするジェフリーの母親。
そんな母親を理解しない父親。
しかし、ジェフリーには優しい父親。
ここら辺は事実に基づいてるのだろうか。
まぁ、シリアルキラーが家庭は円満だったという話はあまり聞かないが。

床下のオポッサムの死体を片付ける。
脳の働きについて解説する父。
コレで死体に興味を持ち始めるのだ。
ここから、ジェフリーは死体と、脳の働き、そしてそれらをコントロールすることに興味を持ち始めるのだ。
ロードキルされた死体を父と子で観察する。父親は初めて何かに興味を持った子が嬉しいのだ。

ここら辺は流石に創作されたエピソード?

その後の成人となったジェフリーは
服屋の男性マネキンを盗み出し抱きしめる。
安易な表現かと思ったが、実話らしい。

ラスト
実際の通報記録が使用される。
91年の事件だが、関係者は了解とれたのだろうか。
警察の怠慢といえばそれまでなのだが、
それを使用する懐の深さに痺れる。
日本では絶対無理だろう。

3話
ついに、最初の殺人。
まるっきりの狂人じゃなく、根っからの極悪人でもない男が人を殺すとしたら、こんな感じかな、と思わせる。
しかし、ジェフリーには「決定的な何か」が欠けているように感じる。
良品とかではない。
想像力?共感性?
かりにジェフリーに同性愛者の恋人がいても凶行は止められなかっただろうし。

4話
ジェフリーのイタズラ。
高校の成績優秀者の写真撮影に紛れ込む。
この意味のないイタズラは、ジェフリーの性格を表現している。

ジェフリーのカミングアウトを怖がり、
話を聞かない父。
ここで、父が受け入れても事態は変わらない気がするが。

高校を中退したジェフリーは、陸軍へ。
ゲイの匂いのする環境だと感じる。

事実として以下の事件がある。
ジェフリーはドイツの基地に派遣される。
それと同じ時期に、女性のバラバラ事件が発生する。
事件の発生と、ジェフリーの派遣時期はぴたりと重なる。
根も歯もない話だが、これは事実である。
ジェフリーのいない今、調べるすべはない。
さすがにドラマでは描かれなかった。
りゅう

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