FranKa

ケーキの切れない非行少年たちのFranKaのレビュー・感想・評価

5.0
自分の想像力が十分に及ばないことを反省させられる、視角が秀逸の作品だと感じた。

(1) 知能が低いから非行をするのではなく、支える仕組みがない社会を批判的に捉えるべき、というメッセージがよく伝わってきた。

(2) 境界知能という概念自体、この作品をとおして初めて知ることができた。本作で描かれているような人たちに出会って、自分は、あからさまに暴力的な言動をすることはないという自信はあっても、この作品のクラスメイトや、ファミレスの吉田氏のような、どこか蔑んだ眼差しや、マイクロアグレッションを、知らず知らずのうちに、おこなってしまう可能性はないか、と自問した。

(3) 「子どもの心に扉があるとすれば、その取っ手は内側にしかついていない」。
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