クリストフォルー

○○妻のクリストフォルーのレビュー・感想・評価

○○妻(2015年製作のドラマ)
3.0
タイトルバックの柴咲コウの白無垢姿に『花は花嫁』(70年代の吉永小百合主演のテレビドラマ)を思い出してしまったが、脚本家・遊川和彦が志向しているのは、かって山田太一らが生みだしていたような“辛口(ホーム)ドラマ”だと思われる。
しかし、遊川は『家政婦のミタ』の好評と『純と愛』の不評の狭間で迷走し始め、このドラマも中盤からは迷走作の気配が濃厚だ。
柴咲はじめ女優陣は粒揃いなんだし、あとひとり存在感のある男優を加えるべきだった。

夫(正純)から見た妻(ひかり)の在り様は、いわば昭和の“賢婦人”そのもので、夫のために身を引こうとするところなど、大映映画「妻の日の愛のかたみに(1965)」を思い出してしまった。もちろん、昭和にだって成瀬巳喜男の「めし(1951)」や「妻の心(1956)」、小林正樹の「この広い空のどこかで(1954)」など、賢婦でない妻も当然出てくるが、やはり大勢は夫や子供に都合の好い“三界に家無き”妻が求められていたわけで…。

〇〇妻=昭和妻だとは言わないが、あれこれ背景をくっつけて都合の良い理想の妻を出現させても、女性はもちろん、男の立場からもヤバサを感じてしまう。尽くす妻は、もはやオワコンなんだよ。
甲斐性があれば妻子はだまってついてくる、なんて昔言われたけど、夫や身内に尽くさなくてもいいから、せめて子供のために妻でいてくれれば何の不満もありません・・・じゃあドラマにならないかwww

新ドラマ『35歳の少女』に期待してるんだが、遊川だからなぁ~、大丈夫かなぁ~www
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