ブルームーン男爵

殺人を無罪にする方法 シーズン6のブルームーン男爵のレビュー・感想・評価

5.0
ファイナルシーズンを観終わってしまった。。次が気になり過ぎて一気に観てしまうので、第6シーズンもあるのに一瞬で終わった気がする。

ファイナルシーズンで序盤の1~2話はテンポが悪い感じがしたが、中盤からは目が離せない。最初のサムの事件がどう絡むのか?ローレルの伏線回収は?黒幕の知事は?とか従前のシーズンからの伏線と、ファイナルシーズンで提示されたアナリーズの葬式やらウェスのシーンなどの新しく張られた伏線がちゃんと最後に回収されて終わる。時間を巻き戻す展開とか、ほんと脚本が天才的。ちゃーんと、ラストのシーンも第1シーズンの冒頭と整合させててよかった。

それにしても、ボニーとフランクのラストはショックだったなぁ。。フランクに隠され出生の秘密はほんと暗い。フランクは仕方がないけど、ボニーには幸せになってほしかった。親ガチャに外れた2人だったから。でもこれがリアルな世界なのかもね。。

ローレルは良いとして、ガブリエルは最後あれでよかったのかな?コナーとオリバーは結局ハッピーエンドだけど、向上心の強いミカエラは仲たがいしたままみたいのラストはあれはあれでよかったかな(黒人女性が成り上がることの困難性を象徴している?)。アッシャーは本人よりご家族の方がなんか気の毒でした。

たくさん人が亡くなったドラマなので、ファイナルシーズンで提示された、自分の葬式に誰が来て、どんな思いを馳せてくれるのだろうか、という問いかけはすごい響いてきた。マイノリティへの差別、米国社会にはびこる不公平、それに立ち向かう主人公というのには胸が熱くなるが、そんな主人公も暗い過去があってアル中というのがリアルである。

弁護士ドラマでいうと、「スーツ」はまさかの主人公2名が後半のシーズンで降板するし、「グッドワイフ」はギャラの折り合いが合わずに主要キャラ降板からのグダグダの展開で、ラストは訳が分からないまま、スピンオフに突っ込む迷走っぷり。これらに比べるとほんと本作はちゃんと伏線回収して終わってくれてよかった。名シリーズだと思う。脚本がすごいし、アナリーズ役のヴィオラ・デイヴィスの演技も凄過ぎ。ちなみに、ヴィオラ・デイヴィスは、アカデミー賞・エミー賞・トニー賞を受賞した三冠王。

これで終わりだと思うと切ないが、年の瀬に観終わってよかった。気持ちよく年を越せそう。