レトルトたなか

The Ranch ザ・ランチ シーズン8のレトルトたなかのレビュー・感想・評価

The Ranch ザ・ランチ シーズン8(2020年製作のドラマ)
3.8
終わってしまった喪失感がすごい、何もかもハッピーではないけどそれでも日常が進んでいく素敵な終わり方でした

主人公の元カノさん、良い人なのにシットコムドラマの登場人物にしては8シーズンの中で描かれる人生過酷すぎない?ほとんどの登場人物不幸だけど特に不幸の因果集まりすぎでしょ、S1時点で22~23歳だよ!?
主人公元カノの不幸怒涛の展開過ぎる

・父親からの母娘共にDV S1以前
・主人公が恋人と付き合いだした頃後に主人公の子供妊娠→流産 S2~3
・母の恋人(主人公兄)死亡 S6
・母が薬物依存に走り知人友人の物を盗みまくるようになったり失業したりそのフォローに追われる S7
・父親を銃で殺害 S8←NEW
メアリーの薬物依存性問題はコミンスキーメソッドやグレイス&フランキーで深刻な問題だけどコメディ特有の空間として気楽に扱ってるの見た後だから余計重かった…

このドラマ思い返してみたらS1では頑固親父と駄目駄目酒浸り兄弟の面白おかしい牧場ファミリーシットコムだったしS3の元カノが妊娠した辺りはコメディ特有の空気感で包めばどうにかまだお気楽展開になってたはずなのにS4の赤ん坊死亡展開が完全に流れ決めた感じある…

主人公兄死亡により、日常風景全てにもういない兄の影がちらついてしまうし、お馬鹿おかしいことをして観客の笑い声が入っても、もう一緒にお馬鹿してくれる兄がいない喪失感を出して暗さを引き立てることになってる…

兄の遺体が見つかってないからどうにかしたら記憶喪失とかで戻って来れる展開ができる余地残してたけど、俳優の告訴解決してないから最後まで戻れなかったんだな…と事情が見えるな…今も解決してないみたいだし…
主人公の幻聴によるsiriの声とは言え死亡した兄がファイナルSで出てきたの良いよね、俳優に問題なければ本人出てたのかな

主人公、飲酒運転、町が山火事の時に発電機を火事場泥棒、他牧場が勝手に作った牧場への水の塞き止めを破壊(まあ他牧場側も悪い)、殺人犯を匿う、とどんどん罪が重なる…


銃所持問題をS8で踏み込んできたのは銃で射的遊びとか散々してたのに今更!?と思ったけどまあいいことだよね
「昔はロシア人が襲ってくるのを警戒してたのに、今の子供達は学校に銃を持った人間が乗り込んできた時の訓練をしてる!」って台詞が重いな、映画のエイスグレートでもしてたもんな…
サムエリオット演じるキャラが
共産主義め!ロシア人が襲ってくるぞ!俺はベトナムで戦ったんだ!共和党支持してるぜ!民主党め!クリントンめ!ヒラリーめ!(劇中で言ってる)俺の敷地跨いだやつは銃ぶっぱなしてやるぞ!もう撃ってるぞ!というキャラだから、銃問題踏み込む気あったの!?と驚き
良く考えたらこのドラマはしんどい展開多いから銃で殺人事件起きたら銃問題突っ込むの当然といえばそうだよね…

離婚した母親が外に出て銃問題考えたり女性と付き合い出したり結局田舎から出ないとそういう変化起きない感じの描き方なのは田舎町舞台のドラマとしてなんかイマイチだな…
夫と町から離れて世界が広がったのは分かるんだけど

ルークのPTSD問題は尺が足りない?と思ったら解決するとかはなくようやく胸に抱えたことを告白してこれからも向き合っていくという方向なのね
サム・エリオットがベトナム帰還兵として政府に助けてもらえなかったのが政府嫌いのキャラ背景として重いな…このドラマがシットコムなの忘れてきた
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