MIDORI

ER緊急救命室ⅩⅣ <フォーティーン・シーズン>のMIDORIのレビュー・感想・評価

3.0
ようやくシーズン14です。

言いたいことは、モリスのキャラクターを確立させるのが遅すぎた!プラットのキャラクター確立も回り道しすぎたと思います。この二人が出てくるシーンはやっぱり面白かったし、初期の頃の面白くて騒がしくて、でもやるときはやるERを思い出させてくれる存在でした。でもグリーン先生やケリーのような、挑発に乗らない真面目なドクターも一人いてほしいです。ルカの後釜のER部長モレッティ役でスタンリー・トゥッチもゲスト出演しました。

このシーズンでアビーのキャラクターを迷走させたのも理解が出来ない。アビーっていうのは、みんなから好かれていて、あのケリーですら手術が失敗だったら子供を託したいと言っていた存在だったのに、それがこのシーズンで全て崩壊。カウンティーで誕生したカップルっていうのは、いつも強固な信頼で結ばれている理想のカップルばかりだったのに、その法則もアビーの不倫で崩壊。ルカも長い間クロアチアに行ったままだったのはよくないけど、アビーにはニーラやプラットとか、相談できる友人もいたはず。ルカが戻ってから家でお酒を飲めないから、ニーラの家で勝手に飲んでて、ニーラが「それは?」と聞いたら逆ギレしてるのもアビーの人間性を疑う。カーター君と付き合ってる頃、カーター君がアビーを無理矢理アルコール依存症の支援会に連れて行こうとしたエピソードがありました。あの頃のカーター君はアビーと結婚したくて、アビーを完璧にするためにアルコール依存症に向き合わせようとしたりしていましたが、理由はともかく依存症のアビーと向き合っていたのは偉かったなと思います。ルカもルカで、「前と同じ生活に戻れると思ってたのに」とか呑気なこと言ってるし、不倫を秘密にすることに耐えられなくなったアビーはルカに全て告白しますが、それを聞いて気持ちの整理がつかないルカに対して「謝罪したのになんで許してくれないの!」とキレるアビーが本当やばすぎる。勝手に不倫して、勝手に罪悪感が募ってルカに告白したくせに、許してくれないとかブーブー言ってるのには呆れます。アビーもアビーだし、ルカもルカだし、この夫婦は自分勝手で自己中心的な似た者同士だから、やっぱりお似合いです。

付き合う男がことごとく不幸になるニーラにはこのシーズンでハロルドという飛び級で医学部を卒業した天才医学生が付きます。童貞のハロルドは、ニーラにどうすれば上手くデート出来るか聞いたり、モリスやプラットのアドバイスを受けたものの、やった分だけ結果が出る勉強とは異なり、1対1の恋愛では全然勝ち目なし(笑)前回シーズンからニーラの上司になった鬼軍曹から「ムチだけで医学生を指導しろ!」と言われたニーラは、その上司が現れた時だけムチの指導をしていたのが面白い。このシーズンではセクシーなニーラのいとこが現れてカウンティーの男性医師を虜にしたり、整復師(俳優は“The Office”でジョシュ役だったチャールズ・エステン)から整復の勉強に来ないか誘われたり、ルカ降板後の色男キャラとして登場したサイモンと良いかんじになったり。優柔不断な性格ですが、アビーよりニーラのほうが大人ですね。インターンとして来たときは全然使い物にならなくて、あの頃はレイも不真面目だったし、長い間カウンティーでバイトしてたアビーの一人勝ち状態でしたが、今では超難易度の高い外科手術を成功させる立派な外科医に。ニーラの成長は見ていて嬉しいです。

このシーズンからサムの髪の色がブルネットに!今までの金髪に慣れすぎて馴染めませんが、サムはお顔がとても整っているので、何色でも素敵です。このシーズンから何故か救急隊員(?)のような訓練も受けていて、脚本家はサムをどうしたいのか。サムはカウンティーでずっと優秀な看護師として仕事していてほしいです。シーズン終盤でゲイツとみるみる接近して、ゲイツとラブラブなサムが可愛い。お互いにティーンエイジャーの子供がいる親として、サムとゲイツはお似合いのカップルです。

この当時、あらゆるドラマに引っ張りだこだったカリ・マチェットが、臨時のER部長スカイとして登場。ダイビングをするために一時的な資金稼ぎで勤務を始めますが、唐突に姿を消したモレッティの後釜として指名され、困惑しながらもER部長を務めます。自由な恋愛をしたいと言って、ドゥベンコ先生をスカイの世界に連れて行ったり、かなり変わり者のドクター(笑)私の中でカリ・マチェットといえば、“コバートアフェア”や“レバレッジ”の印象が強かったのですが、“24”とかにも出ていたみたいですね。2000年代初期の引っ張りだこ女優。

シーズンフィナーレの2つ前のエピソードでは、宝石強盗がERに運ばれてきて、強盗カップルの無事だった男のほうがモリスやニーラに銃を突きつけて、無理矢理女を救わせようとした回だったのですが、ERって金属探知機付けませんでしたっけ?(笑)ERの中でも特に印象が強いルーシー・ナイト刺殺事件のときに現場に居合わせて、刺傷されたカーター君がケリーに猛抗議して(金属探知機が無いなら仕事しないとストライキまで起こした回)、ケリーも折れて金属探知機付けたはずなのに、結局銃を持った患者がまたERで暴れる始末(そういえば前回シーズンのスティーブも銃持ってた)。どういうわけか、カウンティーは頻繁に破壊されて頻繁に改装してますが、アップグレードは殆どない模様。ドクターは患者の命を救うけど、ドクター自身は自分で身を守るだなんて、そんな職場嫌になります。ちなみに強盗の男のほうは、“クリミナル・マインド”で多忙なJJを支える警官を演じるジョシュ・スチュワートでした。クリマイを見てるときから、悪人顔だよな〜と思っていたので、この役はピッタリすぎました。

事件後、やっぱり様子がおかしいモリス。当然ですよね、銃を突きつけられて治療ですもん。そんなモリスを見て、プラットは自分で良ければ相談に乗るよと話しかけるのです。アビーのアルコール依存症のときも最初に手を差し伸べたのはプラットでした。シーズン8のグリーン先生最終勤務日にインターンとしてやってきたプラットは、「この人じゃなくて先生(カーター)に教えてほしい」と言う生意気な医学生でした。その後も生意気な態度が災いして、色んなドクターと揉めたり、ドクターとして法に触れるようなことを色々やって免許停止に何度もなりかけましたが、こんなに成長したプラットを見られたことがこのシーズンでは本当に嬉しい。勿論モリスも飛躍的な成長を遂げて、カウンティーに欠かせないドクターになりますが、モリスは登場初期の頃のキャラクター設定が手抜きすぎて、プラットほど思い入れがない…ERがシーズン15より長く続いたら、間違いなくモリス主演だったなと思いますが。ドクターとしてではなく、一人の人間として、病院での仕事を通じて成長する姿を見るのがこのドラマの面白みです。

ファイナルシーズン直前ということで、私の大嫌いなジェニー・ブレも久々に登場(笑)旦那とは随分冷え切っていて、このドラマの長さを感じさせました。
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