クリストフォルー

妹よのクリストフォルーのレビュー・感想・評価

妹よ(1994年製作のドラマ)
4.2
リアタイで観ていたときは、すでに演技力の評価も高い和久井映見が演じるには、こんなあからさまな”シンデレラストーリー”では役不足だったのだが、連ドラの主演を重ねることで、より大衆的な人気を確立しようという事務所の戦略もあった気がした。王子様役の唐沢も、まだ生硬さが取れていないときだけに、和久井映見がリードしている感じ。その彼女を援ける役割は、本来は岸谷五郎演じる“ダメお兄ちゃん”のはずなのだが、こちらも、まだテレビドラマ慣れしてない。それでも、和久井の孤軍奮闘が際立つドラマにならなかったのは、当時の若手出演者たちは、フジテレビのドラマで頑張れば、必ずキャリアアップに繋がると解かっていたからだろう。実際、鶴田も豊原も西田尚美も伸びたし、小林すすむだって役者として見直された。しかし、この頃の映見ちゃんの涙パワーは凄かったな。
そういえば、2007年の『ちりとてちん』で、和久井映見演じる和田糸子が、娘・喜代美の旅立ちを唄で送るシーンを見たとき、本作のタイトルバック映像を思い出し、藤本有紀のリスペクトを感じて嬉しかった。

チャゲアスの“♪めぐり逢い”の他に、ラフマニノフから“♪グッバイガール”や“♪恋にノータッチ”など、豪華なBGMが使えたのも月9のブランド力かな。もちろん、かぐや姫の“♪妹よ”に“♪嫁にぃ~来ないかぁ~”をラブストーリーに使う荒業も許された、ユルイけど好い時代だったね。
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