Larx0517

MAJOR CRIMES ~重大犯罪課<サード・シーズン>のLarx0517のレビュー・感想・評価

4.2
罪を憎んで人を憎まず。

e4をはじめ、加害者、犯人にも、犯行に至る理由があり、それを丹念に描くことで、犯人にさえ、同情を覚え、涙さえ流す。
これが、このシリーズの醍醐味のひとつ。

e7:個人的にお気に入りのエピソード。すでに4回は見ている。
今エピソードの監督をチェックして、彼(Michael M.Robin)が監督しているエピソードを探したくらい。
『合同捜査』題名通り、LA警察、FBI、SWAT、SOB(特殊作戦部)の合同捜査。
初登場、副検事グロリア・リムが噛みつき、引っ掻き回す。
それぞれの視点、多角的視点マルチアングル(特に上空のヘリからの俯瞰)、さらにハイテク捜査機器が登場。
カットが細かく、ひとつの事件に向かって同時進行する各場面、緊迫感のあるストーリー。
シリーズのなかでも異色で見応えがある。

マクギニス警視の子供と夫。
クーパー捜査官とプロベンザが話している時に、会話に入っていないエイミーのカットを細かく何度も入れる。
これら端役でも駒ではなく、生身の人間としてひとり立ちさせる。
人間ドラマを描く。

これだけを44分に落とし込んでいる手腕は、さすがとしか言いようがない。

e11:事件の内容が、登場人物のプライベートにリンクするのはよくあるが、この話ほど、「『家族』とは?」と考えさせられた話はない。
シャロンが後見人になった時も重大犯罪課全員が立ち合い、サインした。
今回もまた全員の立ち合いの下、法的にシャロンの子供となり、改めて重大犯罪課という「家族」の一員となる。
3回目の鑑賞でも涙が出る。

e13:にじり寄るアンディに、視線も合わせず、後ずさりならぬ、「横ずさり」して距離をとるシャロンが笑える。
さらにラストのシャロンの顔が最高。

e17:まっすぐ、言い換えれば直情的、不器用なフリオが窮地に陥る。
「私を無視して
怒鳴るくらいなら」
母に泣きながら言われたフリオの顔がせつない。
そしてフリオは母の偽証のために仲間に謝る。
個人的に胸に迫るシーン。
それだけに、ラストの文字通り「子供のような」フリオの笑顔に、こちらが涙してしまう。
それをさらに笑いに転じる離れ業。
泣き笑いしながら、これだからこの作品はやめられない、と痛感。


シリーズを通し、これほど涙する刑事ドラマはかつてない。
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