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マーベラス・ミセス・メイゼル シーズン5のSGRのレビュー・感想・評価

4.8
ミッジとスージーの青春ドラマだった。
このドラマが凄いところは、同じく今月ファイナルを迎える『サクセッション』や『テッド・ラッソ』と異なり、第6話(普通は最終回になりそうな話を真ん中にもってくる!)を除いて、いかにもファイナルという畳みかけや盛り上がりを作らず、あくまでも最後まで一貫して平常運転だったところ。最終話も大円団!で終わりじゃなかったのも、このドラマらしい。

このドラマはミッジとスージーが成功を掴むまでの過程の中で、周囲の人間、出会っては別れる人たちに起こる半径数メートルのドラマをユーモラスにポップで鮮やかに切り取るところに重点が置かれている。だから最終話で客席に駆けつけたり電話をかけてくるキャラクターがいるのも、過去シーズンで出会ったきり出てこない(=2度と出会わない)キャラクターがいるのも、レニー・ブルースとは結局再会を果たさないのも、全てリアルな人生の出会いと別れを表している。(一度はスージーと疎遠になって関係を修復するのが描かれるのもそう)

サクセスストーリーやシリーズを通しての伏線回収などを望む人には好みが分かれるところかもしれない。(シーズン2以降離れてしまう人が居るのも理解はできる)自分もシーズン2の時点ではモヤモヤしていたけど、今となってはどのエピソード、どのキャラクターたちも愛おしい。

そして各エピソードに思わず唸らせられるプロダクションデザインと見せ場があり、レイチェル・ブロズナハンの唯一無二の才能と相まってつくづく珠玉のシリーズだったな。。もちろんずっと好きで観ていたけど、ファイナルシーズンになってより凄さに気づかされたというか、一層過去シーズンも好きになるドラマだった。
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