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ギフテッド 新世代X-MEN誕生のshunのレビュー・感想・評価

ギフテッド 新世代X-MEN誕生(2017年製作のドラマ)
4.8
3年ほど前にAXNで放送していたシーズン1をたまたま弟と観てハマった作品。最近マーベルのドラマ作品をたくさん観ていたらこちらも懐かしくなったのでディズニープラスで再観賞。

一応XMENのスピンオフということになっているので映画(特にフューチャーパスト)を知っているとお馴染みのキャラが出てきます。ただ、必ずしも同じ世界を共有しているかというとそうでも無いですし映画見てなくても一つのドラマ作品として楽しめる。
1話にはスタンリーもちゃんと出てきます。

舞台はミュータントに対する規制や差別がさらに厳しくなったアメリカ。どんな理由でも能力で人を傷つけてしまうと子供でも刑務所に送られるというミュータントにとって地獄な世界。
そもそも思春期に能力が開花したてのミュータントにとって力のコントロールを身につけるのはとても難しいことだし、正当防衛だったとしてもミュータントであるだけでテロリスト扱いされてしまう。

人類とミュータントの共存を目指したXMENはもういないという設定からどれだけひどい世界になってしまったかが分かります。
メインの登場人物はすトラッカー家族。父親はミュータントを起訴する仕事をしていた人ですが子ども2人がミュータントであることを知り逃げることを決める。
それまでは人間サイドであった両親の葛藤がよく描かれています。それまでは他人事であったことも自分の家族となってくると話は変わってくる。現代の人種差別や世界各地で起こる紛争に対する自分達の関心について考えさせられます。

そんな2人の子どもはローレンとアンディという姉弟で2人ともミュータント。ローレンは数年前から自分に能力があることを知っていながらも父親の仕事を知っていたのでこれまで隠して生きてきた。彼女を演じているナタリー・アリン・リンドはこのドラマで知りました。アリー・リンド三姉妹だと次女のエミリーの方が色々出ていて有名ですがナタリーもかわいいです。

この姉弟の関係がとても好き。対立も喧嘩も多いけどお互いのことを一番に思っているのがわかるし中盤には2人のパワーに関する驚くべき事実も明かされる。シーズン2でこの関係がどうなっていくのか楽しみ。

このドラマのもう1人の主人公はローナ、通称ポラリス。彼女はなんとマグニートの娘でクイックシルバーやスカーレットウィッチの妹です。父親と同じく磁気を操る彼女はとにかく強い女性でかっこいい。家族を守るため過激な手段を選びがちなところに父親の面影がある。

ポラリスのボーイフレンドのエクリプスやその他地下組織の面々もユニークなパワーの持ち主。リーダーのサンダーバードは銃弾も効かない強靭な肉体と優れた五感を持つ頼れる存在。ネイティブアメリカンのキャラがこんなにメインで扱われることも少ないので嬉しい。
サンダーバードの恋人のドリーマーも結構好き。能力を使用するときのエフェクトがかっこいいです。
そしてブリンク。ジェイミー・チャンがハマり役

あとはエマ・フロストの娘たちのフロスト3姉妹が途中から登場しますが強烈なインパクトを残していきます。11話のラストは彼女たちが母親から受け継いだ恐ろしさを武器に無双してて大好きなシーン

ここまで色々書きましたがとにかくたくさんミュータントが登場しそれぞれのパワーや思惑が複雑に絡み合って進んでいくドラマです。
もちろんフィクションですがその根底にあるのはこれまでもXMENで扱われてきた差別や偏見の恐ろしさと家族の絆。アクションやパワーのCGもなかなかお金かかっていそうだし毎度話の展開も予想がつかず考えさせられる大好きなドラマです。

XMENがなぜ彼らを選んだのか?フェンリスの運命やトラスク社の陰謀、ミュータントと人間の対立の今後など続きがとても気になります。次のシーズン2で打ち切りということですが早速観始めようと思います。

デアデビルがMCU参戦するのならこのドラマや「ランナウェイズ」、「クローク&ダガー」も有り得なくは無いよなあとわずかな希望を持ってしまいます…
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