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逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!のmakoのレビュー・感想・評価

4.5
契約結婚から恋愛関係になり、結婚を決めた平匡さんとみくりのその後の物語。
四年経って、事実婚の関係。
みくりの妊娠により、いろんな問題が起こる。
本作では現代日本における様々な社会問題の提起が描かれていて、観ごたえがありました。

【選択的夫婦別姓】
パロディがすごい!
ねほりんぱほりんそのままだった。NHKなのに笑
夫婦別姓を認めていないのは日本くらいなもの。選択性だから、名字を変えたくない人は変えなくていいし、今まで通り変えたい人は変えればいい。
名字を変えるって結構大変なんだよね。

【男性の育休問題】
何故男性は育休が取りづらいのか。
休みを取れないことが異常というのは納得。
女性も職場によっては計画的に作らないといけないとか。少子化といいながら子どもをつくり辛い社会っておかしい。

【ルッキズム(外見至上主義)】
見た目イジリ。
平匡さんの上司・灰原が人に対し劣化という言葉。私も人に対して劣化ってどうなのって思ってたけど、それを上手いこと平匡さんが反論しててた。劣化じゃなく、老化。
灰原も劣化と言われ、気持ちよくなかったはず。だったらそれを人に言っちゃダメだよね。
灰原の言葉はアウトだけど、単純に灰原を悪にしない脚本がよかった。
平匡が「でも悪い人じゃないと思う」と。

【育児の関わり方】
みくりに平匡さんが言った、サポートしますという言葉。みくりが言った台詞に同感です。一緒に勉強して、一緒に親になる。だからサポートは違う。

【男性らしさ】
女性らしさもそうだけど、呪いの言葉だと思う。男性だから養うとか、大黒柱とか。でも男女に関わらず、得手不得手はあるから、男性が主夫して、女性が働いてもいいし、共働きならお互い家事を分担してお互いの負担を軽くすればいい。
みくりが妊娠して体調が悪くなり家事ができなくなったとき、平匡さんが仕事と家事をしなくちゃいけなくなったとき、「仕事と家事を両立している女性はすごい」みたいな台詞を言ってたけど、私もそう思います。
共働きしてても女性の方が家事の負担は重いんじゃないかな。

【命名】
目からウロコでした。本作ではLGBTQの事も描かれているから、名前をつける際に性別が途中で変わるかもしれないから男女どちらでもいける名前をつけるって、私の中ではなかったから斬新でした。
命名、亜江(あこう)。
聞いた時は魚みたいって思った。あとで、知ったけどあこうという魚は雌 性先熟の性転換をおこない、自然環境では全長約40cmでメスからオスに転換するそうで、この名前にも意味があった。

あと、計画無痛分娩、コロナ禍での育児、ネットでの誹謗中傷やデマ、LGBTQなど。
子宮体癌と子宮頸がんの違いも知れた。
ラストもいい感じで終わり面白かったです。

重い内容になりそうなのに、脚本が優れているから、重さをあまり感じず観れた。さすが、野木亜紀子さん。

価値観のアップデートをしなきゃいけない。これで気づきを得る人が増えれば、生きやすい世の中になるんじゃないかな。
個人的にいいドラマだと思いました。

見逃した方は、金曜日までならTVerで観れますよ♪
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