PM

母性のPMのレビュー・感想・評価

母性(2022年製作の映画)
4.8
今年イチ食らった映画かもわからん
ある種のショックを受けたのかもしれない

湊かなえ作品は気になった数作しか読んだことがない(映画は一作も観たことがなかった)けど、この作品に今まで触れてこなかったことが勿体なかったなと思った
この映画は去年のもので新しいけど、もっと前に原作を読んでいたとしたら 私が娘でしかなかった頃と、親になった今とでふたつの視点があったはずだから
映画が先行してでもこの作品に出会えて良かった

母への感謝は計り知れないし、心から愛している
娘に対してもきっとごく普通の、よくいる健全な親バカで、愛に準じて自分の命も賭す覚悟だ
と、そう思っている、けれど本当はどっちだろうか?あるいはどちらであるべきだろうか?
私はまだ年齢としては周りを見ても比較的若い母親に区分される側で
まだ娘でいたい、そんな気持ちがもしかしたら残っているのかも?どこかに潜んでいるのかも?
何が良くて何がいけないとか、そんなものは無いのかもしれないけど、つい考えずには居られない
女として母として、という様な括りは昨今嫌われつつあるけど、それでも女という個体として生まれてしまった限り、母と子(娘)いうシステムがありそれに属する限り、在り方を省みて、疑って、形を変えてみたり信じたり、あるいは言い聞かせたりして、そうやって歳をとって死んでいくのかもしれないと、女という生物が生命を繋ぐ限り背負う業のようなものを感じて、鑑賞後はつい呆然としてしまった


あとは作品の落ち度ではなく私が原因だけど、残念だった点としては
字幕付き再生だと発言中の登場人物の名前が表記される影響で、清佳の名前を無意識に見慣れてしまって、清佳が名前を呼ばれるシーンでの衝撃に出遅れてしまったことと
鑑賞後にYouTubeで予告編をチェックしてみたけど、思ったよりテイストがコミカル過ぎて(?)これじゃあ観る人が半減してしまうかもしれないと謎の心配をしてしまった すごくいい映画なのに!


このテーマでいて監督が男性だと知って驚愕、すごく良かったと思う
原作の方も時間を作って是非読みたい!
PM

PM