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デイ・シフトのkuuのレビュー・感想・評価

デイ・シフト(2022年製作の映画)
3.6
『デイ・シフト』
原題 Day Shift.
製作年 2022年。上映時間 113分。
ジェイミー・フォックス主演のアクション。
善良な父親でありプールの清掃員のフォックス。だがその正体はヴァンパイアハンターの国際組織の一員だった。
2022年配信のアメリカ合衆国のアクション・コメディ映画。
監督は本作が長編映画デビュー作となるJ・J・ペリー。

近頃は、生計を立てるのも命懸け。
ロサンゼルスを拠点に活動するバンパイアハンターは、1週間以内に子供の授業料と歯列矯正の費用を捻出しなければならなくなり。。。

嗚呼、冒頭から、老齢なご婦人が使うまさかのヘッドシザースホイップ・コルバタ・ティヘラを見れるなんて感謝感激雨嵐(嵐カンバーック)。
因みに、ヘッドシザースホイップ・コルバタ・ティヘラとは、相手の頭を足で挟み込んで、自身の体の振りで相手を投げる豪快、かつ、かっこいい投げ技。
酔拳などの作品に登場する蘇乞兒(そかし)役の袁小田(ユエン・シャオティエン)以外に、老齢な方がこの技を魅せ、見せる作品は見たことない🥺。
(多分、小生が無知ゆえでしょうが)
また、その際、ジェイミー・フォックス演じるバド・ヤブロンスキは拳と膝と、そして銃器とナイフ(マチェット)を使って、90歳前後の吸血鬼夫人(吸血鬼と呼んで良いのか。。。しかし、吸血鬼、VAMPとしときます。スピードゾンビ系に見えなくはないが)を約10分弱はノンストップでフルボッコするのを見て心躍ってしまった。
VAMP映画よろしく、暴れる婆さんを映し出す姿は服のみだったのはこまかい(吸血鬼は鏡の反射に映らない)。
🎼ミラーが映し出す幻を気にしながら
いつの間にか速度上げてる🎶。
婆さんVAMPがフルボッコされるの見て楽しくて面白く感じてしまった🥺。
こないな心が良いのやら悪いのやら。。。
全体的に今作品は見ていて楽しい映画でした。 美学はまぁ優れていたと思うし、吸血鬼の戦いはエキサイティングでダイナミック。
先にふれた、最初のシーンを見た後、これは鬼才ジョン・カーペンター『ヴァンパイア/最期の聖戦』(1998年)みたいな奇抜なものかと思ったけど、よく撮れたスタントのある笑えない(楽しいけどジョークは個人的にサブく感じた)スーパーナチュラル・バディ・コメディであることがわかった。
余談ながら婆さんVAMPとの死闘?の後にあるカーラ・ソウザ登場シーンで云うセリフ『[Insanity is] doing the same thing over and expecting a different result』[狂気]とは、同じことを繰り返して、違う結果を期待することである。)は、
『Insanity is doing the same things over and expecting different results』と云う名言から派生したフレーズかと思う。
このフレーズは、物理学者のアルバート・アインシュタインに起因するものです(実は違うという意見もありますので起因としときます)。
他とは違う結果を期待しながら、今と同じ行動を繰り返してしまう弱いところをついてる。
今作品の吸血鬼は、ほとんどプロットには不必要で、彼らは普通の悪なので、吸血鬼である必要性はあまり感じなかった(吸血鬼モノは好きやしエエねけど)。
吸血鬼アルアルの太陽に弱い吸血鬼。
今作品の吸血鬼も太陽には弱いのは同じ。
ただ、バドは他のハンターたちに、吸血鬼は今、15~20分間日光の下で走れるようにする厚い日焼け止めを開発していると云う。
ディラン(スコット・アドキンス)は、砂漠のカメの甲羅から作られたもので、40カ国で違法だと説明するように日中に歩けるのは無敵に近いんちゃうかな。
吸血鬼はあちこちに伝承を残しているが、今作品は本質的ではなく、登場人物も品種や階層にあまり関心がないように見えた。
プロットや登場人物の動きも極めて単純で、俳優陣の魅力を抜きにしたら、映画にほとんど付加価値を与えていないし、キャラの成長も感じなかった。
敵役はチンピラ、悪魔、吸血鬼、何でもありで、他の数多くの映画が同じようなシナリオは多少うまく表現していたかな。
例えば『ブレイド2』、『メン・イン・ブラック』や、『ゴースト・エージェント/R.I.P.D.』、そして『ヘルボーイ』などなど。
また、脇役は登場する理由がなく、その場から立ち去るだけということもあった(むしろギャグやスタントのためだけ)。
今作品はストーリーに深く入り込み、理解しようとする必要もないと個人的には思ったし、その意味では気楽に観れる西海岸の陽気なノリのヴァンパイア作品でした。
シリアスでグロい映画には場違いなジョークが効くやろし、今作品はもっと繊細でシビアに描けば、より良い作品になったんちゃうかなとは思う。
とは云え、悪態をつきながらも楽しめたのは事実。
ジェイミー・フォックスとデイヴ・フランコが、色あせたベテランと新米のヴァンパイア・ハンターのコンビを良く演じていたし、カーラ・ソウザはゴージャスで殺気立ち、今作品の大悪役として驚くほど親近感を抱かせた。
彼女はヴァンパイアだからといって卑屈になることはなく、人間は彼女の下にいる感じが良かった。
どちらかというと、ヴァンパイアハンターもヴァンパイアも家族への愛情から行動しているので、健全な感じがする。
意外なことに、この世界のヴァンパイアは休眠中の肉食動物として描かれていて、本来は悪意がない。
しかし、人間は一見攻撃的でないヴァンパイアを狩り、ヴァンパイアの牙を質草として集め、生計を立てることを楽しんでいる。
多少の興味ある動きといえるかな。
悲しいかな、この2つの種族の共存の歴史や過去の交流については展開されない。
宇宙の基本を理解するために、さらっと目を通す程度。
全体としては、最初から最後まで楽しめる作品ではあったかな。
後半約30分、バド・ヤブロンスキ、セス、そしてナターシャ・リュー・ボルディッゾ演じるヘザー、そこにスヌープ・ドッグ(こないに身長高かったかなぁ。調べたら193㎝もある)演じるビッグ・ジョン・エリオットが加わる、
VS.VAMPSはスカッと出来ましたよ。
2022年のNetflix作品ということで、たまにある銭賭けたヒヤヒヤ感を与える作品を期待していたが、正直、今作品にはそれが一切なかったが、純粋に脱力系の楽しさは沢山あった。
Netflix何百万人もの加入者を失ったことで、脱力系のエンターテインメントが進むべき道であることがわかったのかもしれない。
Netflixは、スヌープ・ドッグのキャラやスティーブ・ハウイとスコット・アドキンスのキャラをベースにしたスピンオフ作品を制作する計画だそうで、これをシリーズ化する可能性があるように思える。
今の脚本家チームを維持すれば、うまくいくかもしれへんなぁ。
kuu

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