専門用語や内輪ネタみたいなものが程よく外してあり、専門職集団を仕切る監督と、ビジネス面で仕切るプロデューサーの意気込みを拾えるように描かれていて、好感を持ちました。
メインキャラの吉岡里帆さん、中村倫也さん、柄本佑さん、尾野真知子さん。見事に役に馴染んでいます。吉岡さんは快活な役柄が多い印象で、本作では緊張して上手く話せないような、初監督アニメーターを演じておられます。上手くいっているものの、ちょっとキャラの厚みをまとうには、もう一歩かと感じました。絶賛なのは、天才的アニメ監督役の中村さんと、プロデューサー役の柄本さん。専門職ならではのクセが出ていて、中村さんは天才がゆえの苦悩を、柄本さんはクリエイティブスタッフにとっては嫌なことでもビジネスとしてやっていく姿勢を見せてくれました。
圧巻は、東映アニメーションを抱える東映ということもあるのでしょう、劇中劇（アニメ）を担当するスタッフが豪華なこと。東映ではなくて、外部スタジオの制作のようです。また、多くの声優さんが顔出し参加しています。
仕事へのこだわりや、専門職同士のシナジー、ぶつかり合いが満足に描かれている一方で、チームの団結のようなものは少し足りないか、中途半端になってしまったように感じました。
