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冬薔薇のkuuのレビュー・感想・評価

冬薔薇(2022年製作の映画)
2.5
『冬薔薇』 映倫区分 PG12
製作年 2022年。上映時間 109分。
阪本順治監督が伊藤健太郎を主演に迎え、ある港町を舞台にしたオリジナル脚本で人間の業を描いたドラマ。
主人公・淳役を伊藤健太郎、淳の両親を小林薫、余貴美子が演じるほか、眞木蔵人、永山絢斗、毎熊克哉、坂東龍汰、河合優実、佐久本宝、和田光沙、笠松伴助、伊武雅刀、石橋蓮司らが顔をそろえる。

学校にも行かず、半端な不良仲間とつるみながら、友人たちから金をせびってダラダラと中途半端に生きる渡口淳。
埋立て用の土砂を船で運ぶ海運業を営む彼の両親は、時代とともに減っていく仕事や後継者不足に頭を悩ませながらも、なんとか日々をやり過ごしていた。
淳はそんな両親の仕事に興味を示すこともなく、親子の会話もほとんどない状態だった。
ある日、淳の仲間が何者かに襲われる事件が起きる。
そこで思いも寄らぬ人物が犯人像として浮かび上がる。

監督の他に脚本も担当した阪本順治は主演の伊藤を当て書きして脚本を執筆をしたそうで、加えて脚本の執筆前には伊藤にこれまでのことを色々と執拗に聞き取りをした時に、伊藤が一切自分を誤魔化さずに洗いざらい話してくれたことに好感を持った上で、その時に感じた印象を大切にして脚本に生かしたと主演の伊藤健太郎が脚本を手掛けたというが、伊藤健太郎は嫌いな俳優さんではないが(むしろ好きな方)、また、役者としての苦しみは分からないでもない。
しかし、彼がそれ程の役者さんなんかどうも伝わらなかった。
彼が犯した事は全く罪はないとは云わないが、その後、過失運転致傷容疑については被害者と示談が成立したため起訴猶予、ひき逃げ容疑については『犯意を認める十分な証拠がなかった』として嫌疑不十分にしたというから地獄でも入り口で引き返せてる。
彼にとっては役者のキャリアが消えるのは確かに地獄のようなことやったかも知れへんが、あくまでも地獄でも一丁目入ったとこで助け船があるって事は、懲役いくとかのレベルではないし、それなら同じ健太郎でも薹が立ってるけど清水健太郎レベルなら理解はできたかもしれない。
今作品の登場人物は、教育への熱意から暴力沙汰を起こしたんかなぁと思ってたら、ストレスの捌け口に弱いものを襲うイカれた従兄弟に、主人公通う専門学校の学友、ピアスが似合わないおにぎり君(親が亡くなり岡山にに戻った、友人と呼べるか難しい🍙くん)、あと、チンピラの3人(永山絢斗が兄貴分、毎熊克哉が舎弟って構図、貫禄でみたら反対やろっ)で、登場人物のチンピラ永山絢斗演じる美崎輝のケツ持ちもプチ登場するが、コイツがまたシミったれたとこに暮らしてるただの豚、この下に美崎輝がいて、その下に渡口淳いる。
半端な不良を描きたかったんら分かるがなんだかなぁ。
これだけのメンツで今作品を展開してたら、多分、消してた。
でも、小林薫、余貴美子、石橋蓮司、伊武雅刀ら脇役陣がいて、彼らは流石にエエ演技してたし、キャラもよかったのは救いかな。
久っびさに拝顔できた真木蔵人の登場も嬉しいかった(サーフボードは持ってなかったが)。
今作品は明確に半端な不良たちと、ブルーカラー労働者の親2つの部分に分かれてて、そのことが物語をまとめるのを難しくしてるように感じた。
廃船間近で踏ん張る船で働く小林薫ら大人たちのギリギリの日常を雰囲気ある描きかたもあっただけに残念な作品やった。
兄を亡くして、とても甘やかされた環境で育ってしまった淳の気持ちはわからなくはない。
ストーリーわからなくないけど、今作品は愚鈍な小生には何を込めたかったかったんかよくわからなかった。

冬薔薇(ふゆそうび。 または、ふゆばらって読むらしい)って言葉を調べてみたが、
温室で育てられ立派に咲いた花ではなく、冬枯れの中にぽつりと咲き出した花を指す言葉やそう。 花言葉は『輝かしく』。
渡口淳と永山絢斗にこの意味が通じる事を願います。
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