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ヘルドッグスのcocoのネタバレレビュー・内容・結末

ヘルドッグス(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ながら見も甚だしく、あまり期待もせず鑑賞。
てかてかムチムチしたおじさんがたくさん出てくるのでおじさん満足度は高い。
アクションは迫力がある。
何しろ酒向芳はいつもいい仕事をなさる。
ぎょろっとした目と長い手足、澱みない台詞回しで良い役も悪い役も異様な雰囲気を持っていてだいすき。

雰囲気で言えば、どの役者もすごく良い雰囲気を持っているし、目に楽しい映画なんだけど、
端役や脇役のうまさに対して、主役級の人物たちの声の演技があまりにぎこちない。
これは好みの問題かもしれないけど、岡田くんはいつも無理に低い声を出しているような話し方をするので、実際よりも演技が下手に感じる。
アクションや顔でとても良い演技をする人なので下手なわけがないと思う。
坂口健太郎くんは声の演技は上手いのに表情の演技はとても類型的に感じるときがある。
特に笑顔と真顔に感情の乗らない珍しい人だと思う。
あと松岡茉優さんの演技は当然卓越しているけれど、何しろ性欲を感じない。
大竹しのぶさんや寺島しのぶさん、菊地凛子さんの演技は、色気というよりうねるような性欲を見せつけてくる時があり、そういうのもっとくれという気持ちになるんだけど、
松岡さんは性欲がコントロールされているのを感じてしまう。ちゃんとエロいのにどうしてそうなるのか不思議。
MIYAVIは顔もきれいだし雰囲気もある。でも怖くない。話通じそう。話し方が真っ当すぎる。
はんにゃの金田さんがMIYAVIくらい顔がきれいなことが際立っていてそれはおもろかった。
北村一輝はあんな声高いのに顔も体つきもこわくて迫力が損なわれなくてすごい。
木竜麻生さん、吉原光夫さんはものすごく魅力的だった。
関西ヤクザの親分さんたちも良かった。

わたしが感じている程度のことを映画関係者(特に監督)が感じないわけがないので、妥協があったんだろうなと思う。
別に演技が撮りたいわけじゃなくて、画になった時のバランスの取れた美しさや、アクションの派手さが大事だったんだろうな。
実際、音無しで映像だけ見た方がこの映画は楽しいんじゃないか?という気になった。
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