zaoka

VORTEX ヴォルテックスのzaokaのレビュー・感想・評価

VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)
-
【ある終焉、は残酷か?(無評価)】

注目してた作品を劇場鑑賞。

※コレは諸事情により無評価とします。
(世間的な評価は高いです)

過激な映像がない点はギャスパー・ノエっぽくないけど、身近な厳しい未来を強制的に我々に見せつけて来る。

映像の作りも良かったけど、、

******************
心臓に持病を抱える夫(映画評論家)と元精神科医で認知症を患う妻。
夫は、日に日に重くなる妻の認知症に悩まされ、やがて、日常生活に支障をきたすようになる。
離れて暮らす息子も悩みを抱えているが、金銭の相談で訪れた時、二人の状況を知る。

そして夫婦の人生は、、、
******************************

良かった/気になった点を併記しておきます。

【良かった点】
オ-プニングは不穏で好み!
「心臓の前に脳が壊れるすべての人へ」
冒頭のテロップも、エンドロールから始まる構成、ノエ作品っぽい音楽もいい♪(^.^)

誰にでもある老いと終焉...
夫は心臓病、妻は認知症、息子も悩みを抱えているのはリアルだ。

お互いの距離も出来るが、愛し合っている、しかしある時は地獄?、、、そのあたりを2分割画面を使って、淡々と見せていく手法は上手い!

イタリアホラー界の巨匠ダリオ・アルジェント、フランソワーズ・ルブランの演技も素晴らしかった。


【気になった点】
★以下、一部センシティブな表現を含むので注意。
 また、あくまで私見ですのでご理解ください。

上述のオープニングでドキっとしたけど、、内容からは認知症の残酷さ・辛さ含めて悲劇的な印象は受けず、途中退屈にさえ感じてしまった。

・・言い過ぎに聞こえたら申し訳ないけど、これは普通の幸せな終焉の一つでは?と思う(少なくとも地獄ではない)

皆が直面する「普通の終焉」も結構大変だ、ってことをリアルに淡々と伝えていると理解しながらも、インパクトは感じなかったなー💦

※まあ本作は認知症にフォーカスしてないし、「ロストケア」や「月」のように深刻過ぎるテーマを扱っておらず、静かに深く描いてるから、、インパクトを求める作品ではないんだけど、、


※個人的なことで恐縮ですが、元気だった父が最近急に弱って倒れて寝たきりになって、会話も徐々に出来なくりつつある自分の状況も、そう感じてしまった一因かなと思います。
(そのため本作は無評価としました)


<ヒューマントラストシネマ有楽町>
※上映館少ないですがほぼ満席でした。
zaoka

zaoka