dramaticgas

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのdramaticgasのレビュー・感想・評価

5.0
リック・アンド・モーティと極めて2023年的な社会課題とカンフーを原液のままカクテルして(ミシェル・ヨーのマルチバース級の懐の深さを信じて)ぶち込んだムービー。

はたしてダニエルズは、オスカー最多受賞(作品賞含む)という形でこの賭けに勝ってみせた。

本作のもう一つの勝因は、人は皆多面的な存在であり一面だけを見て記号的に扱っていいものではないという、そのテーマにある。冷血な税務署職員は、ユーモアある隣人であり、愛情深い誰かの愛しい人であり、その愛の深さ故に苦しむ寂しい人でもある。それは(百億歩ゆずって)マルチバースが存在せず、このユニバースが唯一無二だとしても変わらない。

対話(トーク)により互いを多面的に知ることこは大切で、だからこそ、どんなときも諦めずに対話しようとするウェイモンドこそが(最高のエブリンを超える)最高なのだ。