阪本嘉一好子

The Future Perfect(英題)の阪本嘉一好子のレビュー・感想・評価

The Future Perfect(英題)(2016年製作の映画)
4.0
ブエノスアイレスに移民が学ぶスペイン語学校があるようだ。そこで学ぶのは中国系のみのように感じるが、この街は中国系のランドリー、スーパーなどもあり、ここも中国系移民が多いところだと感じさせる。この映画は白土も出演していて、白土作りの映画のように感じさせる。

未来完了形から仮定法にスペン語を学ぶ過程が映画になっている。

最初、スペイン語の会話は学校の中でも外でも、レベルが低くて、サバイバル・スキルを学んでいると言う感じがするが、このレベルで、主人公がインドのITの男に、結婚を申し込まれ、断るシーンの会話だけ上等に聞こえる。自分の気持ちをはっきり言い表せるので、この辺から、主人公のスペインごのスキルが上がってきたなあと言うイメージを与える。

この映画の意味することはなんなんだ。なぜこの映画を撮ったのか?

なんて、考えながら観ていたが、ストーリーは仮定法の学びに入る。これはスペイン語でかなり難しい文法のようだ。スペイン語の先生が、もし、インドのITの男との結婚を両親が許してくれなかったらとか、この男に奥さんがいたとわかったらとか、インドのタジマハールに行ったらとか、色々な状況を仮定して話しを作っていく。つまり、スペイン語が上級になって行くという状態を見せている。

ナウエル・ペレ・ビスカヤーというブエノスアイレスの小柄な俳優を初めてみたが、笑っちゃうことに、かなりの語学は操れると自慢していたが、中国語は聞き取れないから答えられない。彼は多言語を話すらしいが、中国語に関しては、中国人がスペインを習った方が早いとまるで言っているようだ。

最後のシーンの猫を囮にかけるところだが、スペイン語が上達して、この国に住めるようになる、つまり、同化していくことを意味していると思う。