みきちゃ

すずめの戸締まりのみきちゃのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

「いわとすずめ」の名前を聞いて、ああそうかと。神道の視点で考察すると深い気がする。あーだこーだと考えてぐんぐん沈める。ダイジンとすずめの共通点も考察し始めると止まらない。

日本には八百万の神々がいる。古来よりそう信じられてきた土地だから、宗教思想の枠を超えて文化に入り込んでいる。神々にはそれぞれ役割があり、個性を持っていて、意志もある。そういうことを知らないから、この目で見ていないからと言って、そこに何者の力も働いていないということにはならないのだ。畏敬の念と感謝の心を胸に。改めて。

2つの大震災は私にも傷を残した。小さくてもはっきりくっきりとしたトラウマになっている部分もある。私程度の関わり方でもこんな風に感じているのなら、当事者の方々のそれは一体どんなものなんだろう。そういうものと向き合おうとして、監督自身が閉じ師になろうとした結果が、きっとこの作品なんだ。痛みが消えることはないのかもしれないし、何も終わらないのかもしれない。忘れたいけれど、忘れてはいけないのかもしれない。でも、映画という形で1つのClosure をもらった。

ダイジンが導いてくれた旅。新海作品で観る東京の景色がずっと好きだった。東京だけでも十分だったのに故郷の景色をがっっっつり観れる日がくるなんて。明石海峡大橋、須磨2国沿いのマクド、二宮、東山商店街、摩耶、掬星台、新神戸駅。素敵。

2回ほど号泣したがあれはずるい。好きな映画ではないし、描きたいテーマが最優先なあまりにキャラ造形がおざなりで声優に任せすぎだし、唐突に感じる言動が多いなとか、気になる点も勿論あるけど、でもこの深海さんの震災との向き合い方を支持する。スコアをつけたくなければ、平均スコアを下げることもしたくないので★は5で。「いってらっしゃい」も「いってきます!」も「おかえり!」も、また言えるとは限らないんだから大切にしなくては。鈴芽が最後の一言をあんなふうに言えるようになるまでの、彼女の心の旅。渾身の想いを込めて言い放ったであろう原さんの明快な声がいまも響いてる。

弔いをありがとう。向き合わせようとしてくれてありがとう。

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ミント神戸の扉の展示、イケてた!
神戸で鑑賞したその足で聖地巡礼したら楽しいだろうなあ!
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