michi

夜を楽しくのmichiのレビュー・感想・評価

夜を楽しく(1959年製作の映画)
4.5
電話の共同回線では、共有している人の会話を盗み聞きできてしまうなんて初めて知った。”party line”ってなんか楽しそうに聞こえるけど、大変なことだ。そんなシステムが普通だった時代ならではのラブコメ。ロック・ハドソンとドリス・デイがとにかく明るくて、セットも衣装も明るくて、可愛らしい世界。
バリキャリ系のジャンと色んな女性相手に「君が全てさ」的な電話をしまくっているアラン。電話が使えなくて共同回線越しに毎日ブチ切れるジャンに、ひょんなことから正体を隠して近づく色男アラン。すっかり虜になるジャンがかわいいし、信じられないほど計算高いアランの手腕も見事。いやー、楽しい!

こうなると、どうやってアランの正体がバレるかが気になるところだけど…詰めが甘くて最後はバタバタ。ジャンの怒った暴走ぶりがちょっと謎だし、まとめ方はかなり無理矢理だった。でも超幸せそうに終わったからいいやw

当時のコードぎりぎりであろうキワどい会話や演出がたくさんあるけれど、不思議とお洒落で全然下品な感じがしない。
しかしプレイボーイのさらに斜め上をいくようなヤバい装置を施したあの部屋…ド変態にも程があるわ。 ロック・ハドソンのアランがめちゃくちゃかっこいいから、逆に微笑ましくなるほど。

分割画面での電話シーンや、心の声がしっかり聞こえる演出も新鮮だし、散りばめられた小ネタもしっかり伏線回収して、ずっとハッピーな作品でした。とても気に入った!
michi

michi