映画黄金時代の類型的なプログラムピクチャーで、お話は都合よく進行しすぎて違和感を覚えるしドラマよりとにかくスターや役者たちの見せ場を優先して撮影している印象。でもクレージーキャッツが魅力的かと言うとそういうわけではなく、植木等はかりあげクンレベルの不良社員だし、他の面々もそれぞれのキャラを少し生かした程度の配役なので見ていてがっかりする。監督の演出もクレージーの個性と香港ロケを無難にまとめましたという感じ。かといって香港ロケのほうも観光名所を撮りまくっているような感覚なのでつまらない。
ただ谷啓が演出したというショー場面は往年のクレージーキャッツの舞台の片鱗を見ているようで楽しかったけどね、名前をダニー・ケイからとっているだけあってどことなくアメリカのミュージカルっぽい演出が多いのにも微笑みが漏れる。
あとせっかく浜美枝が水着になったのに、アップにせず遠いところから撮影している演出は一体なんだったんだろう。