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エンパイア・オブ・ライトのCHまちのネタバレレビュー・内容・結末

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

《作品概要》
エンパイア劇場で働く統合失調症を患っているヒラリーと、建築家の夢を諦めかけた黒人の青年スティーヴンのラブストーリー。

《感想》
「暗闇の中に光を見出す。」

本作の2人の主人公のヒラリーとスティーヴン。ヒラリーは劇場支配人からのセクハラ、統合失調症。スティーヴンは黒人差別。どちらも闇を抱えながらもお互い惹かれ合いその中に光(希望)を見出していく。

この2人に限らず、人生では誰しも大なり小なり闇を抱えながら生きているが、それでも光を求めながら必死に生きている。暗い映画館の中で映写機から投射される光(映像)の中に夢や希望を抱き、勇気をもらうことだってある。

そんな監督からのメッセージをこの作品を通して伝わってきて、映画愛を感じるいい作品だったと思う。

個人的には映像美や雰囲気など、かなり好みの作品なんだけど、ストーリーはよくありがちな年の差ラブストーリーで特に特筆するものもないので、見る人にとっては物足りなさを感じてしまうかもしれない。

ただ、映画好きには心に刺さる作品だと思う。特に終盤の閉館した映画館で一人で映画を見るヒラリーのシーンでは、自分も同じ映画館で映画を見ているんだーとより心が動かされた。

地味ではあるけど、ハートウォーミングな映画愛に満ちた作品でした。

あと、オリヴィア・コールマンの演技は特に光ってました。やはりこの女優、素晴らしいです。
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