1955年、シカゴに住むエメット・ティル(ジェイリン・ホール)は親戚の住むミシシッピを訪れ、そこで白人女性に声をかけたとしてリンチされ殺害される。彼の母親メイミー(ダニエル・デッドワイラー)は息子の遺体と対面し、加害者たちに罪を償わせるべく法廷に立つ。
世界的に有名なエメット・ティル殺害事件を描いた作品。
誰もが知る出来事だけに、どんな描き方をするのか気になって鑑賞。割と時間軸に沿ってありのまま、そして母親の目線で母親の戦いとして描かれた印象だった。
さすがに実話の力強さを感じたけど、曖昧な史実を膨らませたりせずに淡々と進んだからか、映画としては物足りなさはあった。
それでも、メイミー役のダニエル・デッドワイラーの顔演技は緊張感があったし、数百年経っても差別が残る歴史の残酷さは伝わって来た。
ただただ、シカゴで恐怖を知らないまま、子供らしく育ったがために命を落としたエメットが痛々しい。