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TAR/ターのotomのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
4.4
実話なくらいに見えるケイト・ブランシェットの演技力とイケメンっぷり。ベルリン・フィルで職権濫用ほかのやらかしをしたらしっぺ返しも世界最高峰レベルが待っていたでござるな具合。映画的にはいささかフェミニズムとゴシップよりな上にちょいと抑揚が弱い感じもしなくはない。そこのとこだけ一生懸命稽古して撮影した風なマーラーの交響曲5番ほかのとこは、なかなか様になっててカッコよかった。ヴィスコンティのとは違う感じとか、マーロン・ブランドの映画のやつのワニとかのネタも面白い。フルトヴェングラーvsカラヤンの定番問答に、ドゥダメルの写真が出てきた時に「今その話をする必要ある?」って下りのベルリン・フィルあるあるもまた楽しい。なんだかんだで師匠設定のバーンスタインの偉大なお言葉が一番泣ける。
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