Spica

マイ・ブロークン・マリコのSpicaのレビュー・感想・評価

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)
3.7
「もういない人に会うには自分が生きているしかないんじゃないでしょうか」

無駄な音のない静かな作品だった。シイノのマリコへの届かない叫びばかりが響き渡っていた。

マリコはもうとっくに壊れていたのかな。シイノを脅して自分だけのために側に縛り付けていたからギリギリのところで戻って来ることができていたのかな。でもマリコの脅しはシイノにとっても他の誰とも深く付き合わず、マリコのそばに堂々といられる大義名分だったのかな。観ながら様々な問いが頭に浮かんできては消えて。

一見、シュールな展開なのだけど、丸い地球の日本という国の土の上にどしっと着地させられて、現実を突きつけられる作品でした。

シイノを笑わせたり泣かせたりできるのはマリコだけだったんだよね。無理に変わる必要はないけれど、この先の彼女に笑顔がたくさん浮かびますように。

永野芽郁をはじめキャストの皆様の演技に拍手。シイノの子役の子の演技がひときわ光っていたと感じました。
Spica

Spica