あおき

ドント・ウォーリー・ダーリンのあおきのレビュー・感想・評価

3.5
“我々の敵は混沌
平等の名の下に我々を支配してきた混沌
我々は秩序を求めている”

“誰の世界だ?我々のだ!”

***

「ブックスマート」に続くオリヴィアワイルド監督作はスリラー。"古き良き"、"理想的な”家庭と街で不自由なく生きるヒロインが、隣人の異変をきっかけに幻覚症状に蝕まれてゆく。

普通に面白い!
なんか既視感あるけど!

「古典的な理想の家庭=家父長制という男の有害な夢、その破壊」をスリラーに仕上げたという価値は大きいかもしれない。

既視感ある…というのも、大筋はぶっちゃけ映画や漫画に多少触れていれば読めてしまいそうな物語でした。核心に触れたのちの捻りもあまりなく、脚本の秀逸さを期待しすぎるとよくないかも。

内容に関してはパンフを読んだらいくらか腑に落ちた。
この作品の真価は細部の表現にあるっぽくて、それを幻覚症状に惑わされず見つめられるかどうかに評価が懸かってきそう。レビュー冒頭のセリフの引用とか。

個人的には「ビクトリー計画」の作り込みの甘さがかなり気になった。めっちゃ精巧に“街づくり”をしていればこのような事態にはなってないんだろうよ。
あおき

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