爆裂BOX

蛇王島 キングスネーク・アイランドの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.1
リゾート開発が進む自然溢れる蛇王島で蛇の密猟をしていた一行が死体となって発見される。蛇の専門家チェンは、絶滅したとされる大蛇ティタノボアの仕業と考え、現地に向うが…というストーリー。
「蛇王 キング・オブ・スネーク」のチェン・ファンジアン監督が放つ蛇パニック第二弾です。と言っても前作と物語上の関連性などはなく、舞台も現代です。
蛇王島で蛇の密猟者が死に、残された映像から絶滅したと考えられていた大蛇ティタノボアの仕業と推測し、保護区に指定する為蛇の専門家チェンと相棒のマー、調査官のシャオシャオが派遣されるも、島にはリゾート会社が蛇の駆除の為雇ったチェンのライバルの蛇ハンタージン率いる一行が上陸しており、対立する中大蛇に襲われます。
大蛇ティタノボアはCGで表現されてますが、そのクオリティは上々。冒頭の嵐の海で、船上にいる密猟者たちを襲うシーンは、大蛇が背後に迫ってたり、ゆっくり海から船に上がってきて迫ってくるシーンなど中々怖いです。
ところが、この大蛇自体の出番は少なめです。主人公チェンたち三人とライバルのジンたちは対立し争いますが、チェンたちがボロ小屋で雨宿りしている所に毒蛇放り込んだり、対処しようとするチェンを麻酔銃で売って動けなくさせたりヒロインに襲い掛かったりと悪役達が結構本気で殺しにかかる鬼畜度高めで、人間同士の争いがメインで大蛇は合間に人間襲っていくという構成になっています。
主人公チェンは一見不愛想だけど、正義感強くて敵でも死にかけてる人助けようとしたり優しい王道主人公キャラですね。相棒のマーもコメディリリーフ要員だけど、戦闘では必死で戦って主人公の窮地救ったりとちゃんと活躍する所良いですね。ヒロインは綺麗だけど、後半のどんでん返しで一気に感情移入し辛くなったな。主人公助けたとはいえ「この恩はどう返すの」ってお前直前に裏切ったやろ。
悪役のジンや弟分のアーヨンの如何にも悪そうな顔つきも良いですね。ルシールみたいな有刺鉄線巻いたバット持ったガタイのいい長男と凶暴な長女、女性見たら襲い掛かる野獣な次男の三兄弟もキャラ立ってて良かったですね。次男ヒロイン襲ったところでアッサリ大蛇に食われたと思ったら、大蛇の巣で再登場するのはちょっとビックリ。三兄弟も弟がいなくなって常に気にかけたり、大蛇に襲われそうな妹兄が庇ったり、ジンもア―ヨンがやられてショック受けて駆け寄ったりと、悪役ながら人間臭い描写があるのは良かった。
後半の主人公達三人とジン一行と大蛇入り乱れる大混戦も、周囲の物投げまくったりアクションシーン割と見応えありました。ほぼ人間同士の戦いがメインだけど(笑)
最後はやたら爽やかに終わって後味は悪くないけど、あのどんでん返し後ににこやかな感じで過ごしてるのは違和感ありますね。「ごめんなさい」の一言で許せるとかチェンとマー器大きすぎでしょ。ヒロイン助けた理由が惚れたからじゃないのは良かった。
アクションやサスペンスは緊迫感あって悪くなく楽しめたんですが、それが人間同士の争いメインなので、このタイトルとジャケから大蛇との戦い期待した人は間違いなくがっかりしますね。