吉田ジャスティスカツヲ

雄獅少年/ライオン少年の吉田ジャスティスカツヲのレビュー・感想・評価

雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)
4.7
以前『羅小黒戦記🐈‍⬛』を鑑賞した際に、私は二度と【〇〇産のアニメーションのワリには凄いよね】なんて言葉を使いたくないし、偏見を持たないと決めたモンです。

そして今作、もはや実写を完全に凌駕したのではないかと思えるほど、圧倒的に写実的かつ詩的で幻想的な映像の美しさに目を奪われる3Dアニメでしたよ🤯
細部の作り込みの途方もない密度に圧倒されます。

わざわざ水滴を1粒飛ばし、そこに周囲の景色の映り込みを描いていました。
背景の家屋の壁は一つも同じものが無い…
店先の商品の数々は臭いまで伝わってきそう…
そんな道端の植物などのすべてが、形だけでなく質感と色調にも細かなニュアンスがありました。


貧しさゆえバカにされ虐められ続け、負け犬根性の染みついてしまった田舎の少年。
【伝統の獅子舞】に打ち込むことで師匠や仲間との固い絆を育み、やがて日々の過酷な試練にも屈することのない強靭な魂を覚醒させていく…
真面目に生きる平凡な人々にも【チャンスが与えられる社会を願う】作品であり、夢物語のような奇跡に頼らない現実的なハッピーエンドもまた苦くて良き😌


さて…減点要素は作品自体にはなくて、私の解釈の部分。

対戦する場合の獅子舞芸能って【アート🎭の部分を競うもの】であって、暴力も厭わない状況で審査員の判断により優越を決めるモノなのでしょうかね🤔?
装飾が破損しようとも減点にならずに続行できるの?
それとも今作だけのフィクション設定?

本作の幾つかの試合場面を観るに【いまいちルール的な線引きが不明】なのです。

いっそ"スマッシュブラザーズと同じルールです"と言われれば、それも分かりやすいですが、獅子舞の格好をしている意味がないですからねぇ。