獅子舞に魅入り、獅子舞の演者となった少年の成長を描いたCGアニメ。
映像が超絶ハイクオリティ。次世代ゲーム機並み。登場人物は一目でアニメだと認識できる造形だが、それ以外はアニメの体裁を保ちながらも実写に近い。地形、建物、雨粒、散らばる品々、風に揺れる木々など全てにおいて現実世界のような質感がある。何よりも質感が伝わるのは登場人物たちが被る獅子舞の頭(かしら)。毛の生え方に至るまで本物に思える作り込みを感じる。遠目から見れば実写と見間違えるほどで、徹底したリアリティが注ぎ込まれている。かといって、登場人物が画から浮くことはない。絶妙なバランスで構成されている。中でも獅子舞を披露するシーンでは、実写のような映像とアニメならではのモーションが合わさり、アニメだからこそ表現できる本物感を見せてくれる。超常現象である。
ストーリーは良く悪くも期待を裏切らないベッタベタのベタ。主人公たちが成長する根拠の見せ方は薄い。ギャグも古典的。だが、本作の映像美に注目することや、獅子舞は言葉ではなく体を使って表現するものであることから、変化球やロジックの太さは不要に思えた。
⭐評価
脚本・ストーリー:⭐⭐⭐
演出・映像 :⭐⭐⭐⭐⭐
登場人物・演技 :⭐⭐⭐
設定・世界観 :⭐⭐⭐⭐⭐
星の総数 :計16個