エリー

NOPE/ノープのエリーのネタバレレビュー・内容・結末

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

ノープとは
「野生動物」を抑制し、調教して消費する
思い上がった知的生命体「人間etc.」に対する警告。
そして消費つながりでエンタメ業界の苦さも併せて描く意欲作。

動物を思い通りにできるという思い上がりは危険だと訴える。

未確認円盤→中には知的宇宙人という先入観から逸れたB級寄り野生人喰い動物。空飛ぶ野生動物。でかい怪物。使徒っぼい水母、クラゲリオン(わたしが勝手に命名)との戦いは構成としては意外だった。
あのジョーダン・ピールにしてはライトな路線、大衆向けに舵を切ったなと。
猿で調教に失敗したのを間近で見ていたにも関わらず、助かった自分を特別だと慢心し
大人になってから未知なる脅威すらも調教しようとした、ハリウッドに焦がれた元子役は結局アレに喰われて死ぬ。知的生命体なら学習しろと思うよね。

また、黒人やアジア人のハリウッドにおける苦い立ち位置、エンタメの世界において、ただ消費され、名も与えられず捨てられる人たちの生き様。
芸能で脚光をあびたい無名の妹に対して残酷にNOを突きつける生い先短い動画監督。
それは家畜として消費される猿や馬、でかい空中生物と静かにリンクする。
消費されるものたち同士の戦いを描いた作品でもあるわけだ。
彼ら(兄妹etc.)の脚光を浴びるための一世一代の行動が後半に収束していく。

2回目を視聴したらすんなりこの映画を楽しめた。メッセージが複雑だから一回視聴ではみんなきっとわからないでしょう。
でも一回で感じた違和感を掘り下げて色々調べたりしてから2回目見れば、きっと理解できるし、面白かったと思うよ。

追記
池袋グランドシネマサンシャインでIMAXでラストNOPE見てきました。音の臨場感よかった。
満足です!!

追記
12/31、2022
買っちゃいました字幕版。もう五回見てます。最高。
この映画を映画館でIMAXで見られた幸せを噛み締めました。家で見るのと映画館で見るのでは、やっぱ違うな〜と実感。
エリー

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