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Brian and Charles(原題)のchunkymonkeyのレビュー・感想・評価

Brian and Charles(原題)(2022年製作の映画)
4.0
ずばり、イギリス版「ラースと、その彼女」。ほっこり癒されながら、少しの切なさをスパイスに笑顔がこぼれる疑似ドキュメンタリー作品。まぁ要はパクリ映画かな(笑)。精神を病んでることが強調されていたラースと比較すると、本作の主人公ブライアンは割と健全な感じで描かれていて、テーマも「人や社会とのつながり」に「一歩を踏み出す勇気」と、より万人に共感が得られやすく明るめの仕上がりになっています。

ブライアンは、ウェールズの田舎の小屋のような家で、ガラクタを組み合わせた意味不明な発明品を作って一人引きこもり生活を送る陰キャオヤジです。一見、好きなように生きて楽しそうに見えるのですが、マネキンの頭と洗濯機を組み合わせたロボット・チャールズが嵐の夜に人間のように動いたりおしゃべりをして振舞うようになると、ブライアンの本心が見えてきます。

ブライアンも、本当は引きこもりじゃなくて友達や恋人をつくって楽しく過ごしたいし、いろんなところへお出かけだってしたい。でも、なんだか一歩を踏み出すのが怖くて勇気がでない...チャールズ(=ブライアンの創作物ですから要は彼の頭の中やね)との交流を通して、臆病な彼の抱える心の葛藤が痛いほど伝わってきます。

笑いの落とし方は、youtube動画を長編映画化した同じく疑似ドキュメンタリーの"Marcel the Shell with Shoes On"に酷似しています。いじめっ子が物語を動かす感じがちょっとなぁ...と思ったら、エディー一家のエピソードは、これTVドラマ「ザ・ミドル」の荒くれグロスナー家の丸パクリじゃん!

「ラースと、その彼女」も町の人々がみんな温かくてとても好きな作品なのですが、本作はいじめっ子が出てくる代わりに映画全体としては明るくほっこり度が抜群、思わず笑顔になってしまう素敵な作品でした。チャールズの描く絵がめちゃ可愛らしいのでご注目を。The TurtlesのHappy Togetherも最高!

予告編
https://youtu.be/_JfWZd4CtIE
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