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雪之丞変化のkojikojiのレビュー・感想・評価

雪之丞変化(1963年製作の映画)
3.3
No.1692 監督:市川崑1963年作品

 「雪之丞変化」は長谷川一夫の当たり役。
1935年~1936年にかけて監督衣笠貞之助で三部作を製作。これが大ヒット。
その後東千代之介、美空ひばり、大川橋蔵で撮られ、再び長谷川一夫300本記念映画として撮られたのがこの映画。
 この映画は、私はもちろん映画館に観に行っているが、小さい頃だけに長谷川一夫のナヨナヨした演技が気持ちが悪く、全く面白くないという記憶しか残っていなかった。

 記念映画だけあって、「長谷川一夫の色気をしっかり撮りたい」という大映の意向が随所に見えて、つまり映画で見栄を切ってるようなシーンが多く、長谷川一夫のファンじゃないと、「なんのこっちゃ」の映画だ。

 大阪歌舞伎の女形の看板役者・中村雪之丞(長谷川一夫)は、幼い頃殺された両親の仇をうつため、剣術を磨き、復讐を誓って江戸を来た。狙うは長崎奉行・土部三斎とその一味。義賊・闇太郎(長谷川一夫の二役)の助けをうけて、「長崎の敵を江戸で討つ」ストーリー。
 これに雪之丞変化に思いを寄せる女スリお初役を山本富士子が演じ、若尾文子も花を添えている。面白いのが訳のわからない役で出演している市川雷蔵、勝新太郎。これこそ「なんのこっちゃ」の役で笑うしかない。結局大映オールスター映画にするために無理矢理役を作ったのが見え見えで、これは珍しい映画だと思う。脚本家も恥ずかしかったんではないだろうか。
まさに長谷川一夫のための記念映画。人気があったんだろうなと思うしかない。
 
 因みに、この映画を観たのは山本富士子を見るためで、今回も山本富士子だけは良かった。やっぱりいいなあと思った次第である。🤭
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