バルバワ

非常宣言のバルバワのレビュー・感想・評価

非常宣言(2020年製作の映画)
4.0
さて今回は早い話が隠れシネシタンなのですが、同日に妻と『THE FRIST SLAM DUNK』を観るという稀有な隠れシネシタンなのでした。つまり午前中はコソコソ今作を観て、午後は「半休だった」と言って妻を映画に誘ったというワケです。

正に姑息…ここに姑息タンという新たな概念を勝手に生まれましたよ!

因みに妻は《SLAM DUNK》のアニメを全話見たので鑑賞中は祈るように両手を組みながら推しのキャラクターを「行けっ!」と小声で応援し、大いに楽しんでいたようです。鑑賞後は続編は有りや無しやを語り合ってくれました!
妻曰く「映画館で観ていて声を上げたくなる映画は初めてだった!」と大満足なご様子でした。

さて、今作。

いやぁ、こんなに良くしてもらっちゃって…

あらすじは飛行機は墜落しそう、乗客は殺人ウイルスに感染しそう!政府や警察はてんやわんや!…的な感じです。

【大特価ッッ!】
今作はシリアルキラーあり、殺人ウイルスあり、墜落パニックあり、陰謀あり、カーチェイスあり、国と国との緊張あり、ドッグファイトあり、国民の分断あり、家族の良い話あり…と娯楽映画に入れてほしい展開の幕の内弁当みたいな作品でした!
これを1900円で見せてくれるなんて…太っ腹にも程がありますよ!しかもソン・ガンホやイ・ビョンホンなど私だって知っている俳優さんも出演されているという…物価は高くなる一方で今作はどんだけ家計応援価格なんだッッ!

こんな1つで2度、いや3度以上美味しい映画を年明け早々に公開してくれて本当にありがとうございます!

【しっかりと締める】
ジャンルとしてはパニック映画ではある今作なのですが、後味は驚く程ビターなのも魅力の1つだと思います。
作中、クライマックスに自己犠牲な活躍を観せる人物がいるのですが、その人が最終的にどうなったか…これがとてもとても胸が締めつけられるのですよ。
また、今回の事件の犯人に凄絶な過去や虐待をうけたことがあるとか所謂"犯人の事情"はほとんど掘り下げずにとことん身勝手な人間として描き「この世の中には邪悪な人間がいるから気をつけなはれや!」というメッセージを我々に伝えているように思えます。

この理不尽なビター加減こそ現代を生きる我々の胸にドスンとくるのですよ!

【最後に】
殺人ウイルスが空中に飛沫として飛び散っていたり、髪の毛の浮遊感で飛行機の傾きを表現する演出はとても目新しく楽しめました!

まぁ、殺人ウイルスの効き目がまちまちでいまいち作中で言われている程の恐ろしさが分からないとか、1人がワクチンを打って回復したら臨床試験OKという危うさとかは目に付きますが…それよりも年々酷くなる三半規管の弱さで飛行機のシーンは画面酔いしてしまいました。毎日、でんぐり返ししよう!

しかし、本当に映画の楽しいを詰め込んでくれた今作にお礼申し上げます!ふらっと立ち寄った定食屋さんにご飯の量とか小鉢とかをめっちゃサービスしてもらった感半端なかったですッッ!
バルバワ

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