「ヴィンセントが教えてくれたこと」「IT」シリーズの名子役ジェイデン・マーテルくん目当てで鑑賞。
音楽×映画は何せ名作が多いので期待値は高かったけど、個人的には残念な印象。
ヘビメタ好きの高校生ハンター(エイドリアン・グリーンスミス)とケビン(ジェイデン・マーテル)は、メタルバンドを組もうとするが、周囲は誰もヘビメタに興味がない。ベーシストを探していた彼らは、チェロを弾けるエミリー(アイシス・ヘインズワース)を見つけるも、彼女の起用に意見が分かれてしまい—— 。
この時代にメタルである。
しかも、若き高校生が。
なら、何故彼らがメタルに没頭するのかが気になるところ。
なのになのに!!
そこの動機付けが弱い。
ロン毛でゴリゴリにヘビメタを信奉するハンター。彼は何故にそこまでメタルに陶酔するのか。そのきっかけは何だったのか。
…描かれない。
ケビンは何故ハンターからのヘビメタバンド加入の誘いをすんなり受けたのか。彼は何故にそこまでドラムの練習に打ち込めたのか。彼なりのメタルへの想いは何なのか。
…描かれない。
キャラクターの心情はもっと深掘り出来た筈。これが単にバンドを組もうゼ的な若者ノリならまだしも、悪魔がどうとか地獄がどうとかのヘビメタである。やっぱりそこに惹かれる、メタルの魅力こそ打ち出す必要はなかったか?
ヘビメタにクラシック音楽のチェロというマッシュアップは面白いし、右側頭部を刈り上げてアシメにしたハンターのルックスはカッコいいし、ラストステージはそれなりにテンションも上がるのだが。
先日観た邦画のアニメ「音楽」は、テイストも音楽ジャンルも何もかも違うけど、本作と同じ高校生達が音楽と出会い、何せ「気持ち良かった」という感想を抱き突っ走っていく。
本作でも、そんなメタルとの出会いとメタルへの想いを描くべきだったと思う。