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目指せメタルロードのkuuのレビュー・感想・評価

目指せメタルロード(2022年製作の映画)
3.8
『目指せメタルロード』
原題 Metal Lords.
製作年 2022年。上映時間 98分。
『IT イット “それ”が見えたら、終わり。』のジェイデン・マーテルが主演を務め、メタルバンドを組んだ高校生たちの奮闘を描いた青春音楽映画。
共演に『マジック・マイク』シリーズのジョー・マンガニエロ。
『ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気』のピーター・ソレット監督がメガホンをとり、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のD・B・ワイスが脚本を手がけた。Netflixで2022年4月8日から配信。

作中、小生がこよなく愛してますギタリストのランディ・ローズの未完の曲『Dee』が、淡いロマンスシーンで流れとても嬉しかったです。
この曲は、ランディの母に触発されて書いた短いインスト曲で、オジー・オズボーン(Ozzy Osbourne)『Blizzard Of Ozz』に収録されています。
拙いギターコピー録音ですが、弾いてみましたので、お時間や聴ける環境においでの方は聴いていただければ幸いです。

https://linksharing.samsungcloud.com/eO8Ef31niHVC

扨、今作品のお話はですが、
高校でマーチングバンドに所属する冴えない男子生徒ケビンは、メタル好きの親友ハンターと組んで学校のバンドコンテストで優勝を目指すことに。
しかし周囲にはメタルに興味のある生徒はおらず、ベーシスト探しが難航する。
そんな中、ケビンはチェロを演奏できる女子生徒エミリーと出会い、彼女をメンバーにしようとするが。。。

ケビンとハンターは長年の友で、ハンターの野心がこの関係を支配していることは明らかです。
ケヴィンは物静かで流れに身を任せるタイプ。
片や、ハンターは自信と決断力にあふれ、ヘビーメタルをこの友人関係の中心に据えている。
高校のバンド・バトルを目前に控え、ハンターはこれをバンドが偉大な存在になる第一歩として、またエド・シーランのカバーと集中力のないドラマーがいる他のバンド"モリーコドル"に"Skullfucker"バンドが本物であることを示す機会としてとらえている。

個人的にロック、特にメタルロックを愛してやまない。
X JAPANのYOSHIKI(Dr/Pf)、L’Arc~en~CielのHYDE(Vo)、LUNA SEA/X JAPANのSUGIZO(Gt/Vn)、ギタリストのMIYAVIが今月11日、4人そろって記者会見を行い、新バンド『THE LAST ROCKSTARS』を結成したことを発表したニュースを見て熱くなったように、今作品の音楽の力と、特にメタルへの深い愛情を描いた『メタル・ロード』は贔屓目に心に響いた。
YOSHIKIたちのバンド『THE LAST ROCKSTARS』の曲が思ったほどハードなロックしてなくても(聴いたのは二曲だけだし云いきれないがヴィジュアル系でガッカリはしたが)、今作品が決してロックになりきれていなくても、心意気に魂はゆれました。

今作品はガチガチメタルの話ではなく音楽というよりも、怒りの様々な処理方法について描かれてました。
故に、メタルロックはチョッとと嫌煙するかたにも、また、多くの方にもご覧になれる内容なのかなぁと思います。
ハンターは短気で、学校のいじめっ子や父親(ブレット・ゲルマン)に、ギターセンターで何千ドルも使って八つ当たりしている。
ケヴィンの怒りはむしろゆっくりと燃え上がり、ハンターの暴言を静かに受け止め、この友情から自分自身を切り離し始める。
ケヴィンは、チェロが得意で、精神安定系の薬を飲まずにいると暴れやすい、大人しい生徒エミリー・スペクター(イシス・ヘインズワース)と出会う。
ケヴィンはエミリーをバンドに勧誘し、ハンターはスカルファッカーに『オノ・ヨーコは入れない』と宣言し、ケヴィンとエミリーは親密になる。
メタルロードは、音楽に焦点を当て、それがバラバラになるのではなく、どのように団結させることができるかに焦点を当てたときに、最高の状態になる。
ケビンとエミリーの関係は、メタル音楽への共通の愛から発展し、これらの曲を演奏するためにより良いミュージシャンになろうとする。
特に、ケヴィンのメタルへの愛と献身が、学べば学ぶほど増していくのがわかる。
マーテルとヘインズワースの共演シーンは素晴らしく、この若い愛の開花を見ることができた。
しかし、今作品では、この高校生たちが抱える怒りの問題を侮ることはできない。
視聴者は、彼の攻撃性がしばしば手に負えなくなることから、ハンターが明らかに対処しなければならない問題を抱えていることを理解できるが、今作品はこれらの問題を正面から取り上げるのにあまりにも時間がかかりすぎているのは残念かな。
ハンターがようやく助けを求めても、彼には何の問題もないと云われ、メタル好きであることが彼の行動の云い訳になってしまう。
第3幕の後半になって、彼は自分なりの救済の形を見つけるんやけど、その時点ではこのキャラを受け入れるのは困難かもしれない。
同様に、今作品はエミリーの怒りの問題を扱う際、いくつかの疑問のある選択をしている。
エミリーとケヴィンが交際を始めた後、エミリーは薬を飲むのをやめ、ケヴィンが "幸せの薬 "だと主張する。
映画ではロマンチックな表現になっているが、このような問題にどう取り組むかについて、まるで正しい人を見つけることで化学的不均衡を変えることができるかのような、奇妙な発言やった。
しかし、メタル愛は溢れてた。
時折、かなり年配のメタラーが若い人たちの暗号を使って、この愛情を主張しているように感じられることもあった。
しかし、今作品は足場を固めようとしたところで終わってしまった。
登場人物たちが自分の欠点に対処するのに時間がかかりすぎ、音楽と音楽を通じて結ばれた絆を長い間後回しにしすぎたのは残念ではあるが、自称メタラーとしては響いた作品でした。
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