しらす

別れる決心のしらすのレビュー・感想・評価

別れる決心(2022年製作の映画)
4.5
隠そうとしても隠しきれない、監督の変態性が滲み出る傑作だった。
取り調べ室の寿司のくだりは、
頭抱えてしまった。
いったい何を観せられているんだ?

毎回この監督作はラブストーリーなのだけれど、ラブストーリーとは何なのかを見失わせる凄みがありますね。

不倫とか、容疑者との恋とか
火サスか!?と突っ込んでしまいたくなる設定だけど、実際は全然違う。

霧で前が見えず、寝不足で目薬をさして
視界がぼやけたり、見失ったり
映像の力が凄まじく、落ちていく男の…
ああ、もう元に戻れない、という
諦めとか、絶望とか、
達観した気分を味わえる2時間半。
見終わった時には悪夢から覚めた時の様な気分になって、夢で良かったーみたいな。
そんな感覚。
まさに映画というエンタメの真髄だと思う。

エロやグロを排除して、
それでもここまでの変質さを表現できるなんて…パク・チャヌク最高傑作でしょう。

それにしても、あの台詞は神でした。
「あなたの〇〇になりたい」って!
悪趣味の塊の様な監督なのにこんな台詞書いちゃうのずるい!
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