ヘソの曲り角

別れる決心のヘソの曲り角のレビュー・感想・評価

別れる決心(2022年製作の映画)
4.2
私はパク・チャヌクの映像表現がマジで大好きなので贔屓目になります……。去年映画館で見なかったのマジで後悔してる。あーもうパク・チャヌク天才ぢゃん(そんなことはとっくに知ってるが)。「妻は告白する」すぎる前半部に途中から「めまい」っぽさも入り込んできて、流麗な編集と美しい青と効果的な高低差が140分常に私を魅了して離さなかった。ぐずぐずの関係性をバチバチキマってる映画としてだらだら流す。でも「花様年華」的な上品さがあって奥まで手を突っ込んでくるような下世話さではなく表面を撫でつけて乳繰りあってるこそばゆさが終始ある。ていうかまあ二人だけに共有されてる言外の意味を明確に定義づけることなく時間だけが蓄積されていくズブズブな関係がそれすなわち…ってことですよね。翻訳アプリの使い方も良すぎた。「あなたの執着やばいよ…」のかかる対象がいったりきたりするのだがそれはもう「恋愛サスペンス」じゃなくて「サスペンス恋愛」なんですよ。こういうのをたくさん見たいです。

パク・チャヌクの過去作から考えると「渇き」がわりと雰囲気似てる。ジャンル横断、引用、ぐずぐず恋愛。