ミヤザキタケル

トリとロキタのミヤザキタケルのレビュー・感想・評価

トリとロキタ(2022年製作の映画)
4.3
そこに確かにある(いる)はずなのに、見えない、見ようとしていない現実や弱者へと光を当て続けてきたダルデンヌ兄弟。その気高き姿勢は今回も変わらない。理不尽で抗いようのない状況に追い込まれながらも、リスクを背負い、懸命に希望を追い求めて生きる偽りの姉弟。そんな二人の姿を通し、僕たちが生きる現実社会へと一石を投じる力作。分断や断絶が加速し、他者を顧みる余力も度量も欠けがちなこの時代に必要なものを、血の繋がらぬ姉弟の絆に垣間見た。僕たちはどう生きていくべきなのか…。