真魚八重子

トリとロキタの真魚八重子のネタバレレビュー・内容・結末

トリとロキタ(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ダルデンヌ兄弟の中でも特に息苦しい作品かもしれない。アフリカからベルギーにやってきて、疑似姉弟として暮らす少女ロキタと幼い少年トリ。トリは養護施設に入れてビザを取得できたが、ロキタはどうしてもビザがおりず正規の仕事に就けない。
ティーンエイジャーの少女は、何をするにしてもセクハラがついて回る。麻薬の運び屋をすれば、雇い主にはフェラチオも要求され、偽造ビザの写真を撮るだけなのに「脱げ」と言われる。ロキタがパニック発作を患っているのも、本当に当然だ。この映画以降、搾取される移民のメンタルヘルスはもっと描かれるようになるだろうと思う。

ラストまで本当に厭であることが、非常に現実味がある。
真魚八重子

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