さよこ

トリとロキタのさよこのレビュー・感想・評価

トリとロキタ(2022年製作の映画)
3.4
【悪い大人たちは女子供にも容赦ない🏞️】
難民系のテーマに興味があって鑑賞。

🍕全体の感想
子どもだけで異国の地に舞い降り、子どもだから危険なこともするし、子どもゆえに判断を誤ってしまう。悪い大人たちが容赦なく子どもに密入国費を取り立て、また別の悪い人は子どもをビジネスに利用しているのが印象的だった。慈悲がない。

🍕裏の仕事
どんな仕事をするのか聞かされずに仕事場に放り込まれるのは裏の仕事特有のお作法だと思った。引き受けるか分からない人にペラペラと危ない仕事内容を吹聴するわけにはいかない。こっち側に巻き込んで逃げ場をなくしてから仕事の説明をするのは確かに理にかなってる。いつの間にか抜け出せなくなる巧妙な仕掛けで怖い。

🍕社会の構造
誰もやりたがらない仕事やリスクの高い仕事は、こうして持たざる者に回ってくるんだろうな…と思った。とはいえ、この子たちも裏稼業の人から仕事をもらわないと生活できないだろうし、ある意味セーフティネットになっているのかな…。

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⚠️この先、ネタバレあります⚠️
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🍕渡航の背景
主人公が密入国に至った理由は特に明かされないのでいまいち入り込めず、兄弟も多そうだし、家族のなかでこの子が選ばれた経緯も知りたかった。ビザなしでお金を工面することの苦労を主人公が一心に背負っているわりに精神面がタフとは言えず、この子は家族のなかでとういうポジションだったんだろうか。それによって母親からの仕送りの催促の印象が変わってくる。

🍕遅かれ早かれ
二人とも親元を離れるには幼なすぎるし、裏稼業をするには社会を知らなすぎた。違法に入国した時点で''普通の生活''とは遠いところにいるわけで、遅かれ早かれ二人にはこういう結末が待っていたんだと思う。ましてや仲の良い人と数日会えなかっただけでパニックになって発作を起こす暗いメンタルやられてたらこの先やっていけないだろう。おそらくは🌿を売った少年トリも、主人公ロキと同じ運命を辿ることになるんだろうな。

🍕その他、いろいろ
・ビンタが早すぎて見えなかった。びっくりした。
・こんなクズでも料理上手かと思うと悔しい…
・撮った写真や動画をサイトで売ってそうだな…
・ラスト衝撃すぎて心にくらってしまった
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