リプリー

聖地には蜘蛛が巣を張るのリプリーのレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
4.3
間違いなく今年ベスト級。
サスペンス映画として文句なしに面白い上、確かに観客へ重いものを突きつけてくるし、価値観が揺らぎ、恐れおののいてしまう体験ができる。
アリ・アッバシ監督は、間違いなく僕の中で新作を見逃せない監督の一人になった。
そもそもこの人は、前作「ボーダー」でも原作にはないサスペンス要素を盛り込んできていて、そこが異常に面白かったわけだから、それを全面展開してくれる本作がつまらないはずがないのだ。

とある街で起こる娼婦連続殺人事件。それを追う女性記者。
前知識はそれだけでいい。というか、前知識なんてなにもいらない。
実話からインスピレーションを受けているというのがまず驚きで、衝撃を受けること間違いなし。
犯人の最終陳述と、ラストのあの子のセリフでは、あまりの恐ろしさに誇張ではなく寒気がした。