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聖地には蜘蛛が巣を張るのyksijokiのレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
3.8
社会派サスペンスと括ろうとすれば括れるけど、もう少し広い視点で捉えたときに社会構造上の諸々と宗教的観点からみたときの正義とが絡んでくる。女性ジャーナリストの表情と同じ無に近しい感情にさせられる。読後感のなんとも言えないむず痒さがアリアッバシ節かも。

イスラムの国における娼婦という存在に対する人権侵害というか、民意として卑下したり人と扱わないというようなことが起きているのだということがまず心が痛い。ミソジニーが蔓延っている状態というのが劇中でも表現されているし、目線だったり密室でのやりとりだったりの節々から感じる女性蔑視がリアルすぎて本当に嫌な気持ちにさせられる。

テーマと非常に重みのある映像たちにかなり持っていかれるが後半はこちらへ投げかける課題提起が大きすぎて映画としての面白さよりもそっちのモヤモヤにしか目がいかなくなる。それが監督の狙いかもしれない。

最後の映像が非常に胸糞悪くなるようにつくられていて、上手い。。ここでそれを出すのはズルいわという感じ。英雄の証明のラストにも近いかも。

女性ジャーナリストのラヒミの演技が素晴らしかった。言動、行動、表情含めて非常にリアルだったのと目が引き込まれる目をしていてすごく印象的だった。

車越しに街のネオンを映し出す映像がすごい良かった。ナイトクローラーとかドライヴのような色の使い方でとても綺麗だった。

神の存在に対する絶対的信頼系の映画が続いてて結構考えさせられる…。

キャスト★4.1/5.0
ストーリー★3.8/5.0
プロット★3.9/5.0
バイブス★3.6/5.0
演出★4.2/5.0
脚本★3.9/5.0
映像★3.8/5.0
音楽★3.6/5.0
全体★3.8/5.0
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