kuu

ゴールデンカムイのkuuのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
3.8
🐻『ゴールデンカムイ』🐺 
映倫区分 PG12
製作年 2024年。上映時間 128分。
明治末期の北海道を舞台にアイヌ埋蔵金争奪戦の行方を描いた野田サトルの大ヒット漫画を実写映画化。
山崎賢人が杉元、山田杏奈がアシㇼパを演じ、眞栄田郷敦、工藤阿須加、玉木宏、舘ひろしら豪華キャストが個性豊かなキャラクターたちを演じる。
監督は『HiGH&LOW』シリーズの久保茂昭。

日露戦争での鬼神のごとき戦いぶりから『不死身の杉元』の異名を持つ杉元佐一。
ある目的のため一獲千金を狙う彼は、北海道の山奥で砂金採りに明け暮れていた。
そんなある日、杉元はアイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。 
金塊を奪った『のっぺら坊』と呼ばれる男は、捕まる直前に金塊を隠し、その在処を暗号にした刺青を24人の囚人の身体に彫って彼らを脱獄させた。 
金塊を見つけ出すべく動き始めた杉元は、野生のヒグマに襲われたところをアイヌの少女アシㇼパに救われる。
彼女は金塊を奪った男に父親を殺されており、その仇を討つため杉元と行動をともにすることに。
一方、大日本帝国陸軍第七師団(北鎮部隊として実在してた)の鶴見篤四郎中尉と、戊辰戦争で戦死したとされていた新選組副長・土方歳三も、それぞれ金塊の行方を追っていた。

『天から役目なしに降ろされたものは一つもない』

ロバートの秋山がお笑い芸人のカメレオンなら、山﨑賢人はマンガ原作実写化若手カメレオン俳優かなぁと最近よく思う。
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』東方仗助役、『斉木楠雄のΨ難』斉木楠雄役、『キングダム』信役、『今際の国のアリス』有栖良平役。
『ヲタクに恋は難しい』二藤宏崇役ってのもあったし、『妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』ではエンマ大王役と。
また、『今日、恋をはじめます』『L・DK』『orange-オレンジ-』など少女マンガ原作実写化なら王子様ってとこかな。
小栗旬や藤原竜也は、山﨑賢人に押されとんなぁ。
『鬼滅の刃』が実写映画化されたとしたら竈門炭治郎役は、神木隆之介か山﨑賢人がええかなぁ、
つい最近まで、人気漫画の実写化っていやぁ、日本映画界では厳しい眼で見るイメージが強かった。
しかし、佐藤健主演の『るろうに剣心』3部作辺りから風が変わったかな。
『キングダム』や『東京リベンジャーズ』『今際の国のアリス』など、エンタメ映画で人気を博すシリーズのモデルが生まれたと思う。
これら、山﨑賢人は全て出演してるしまさにカメレオン。
その山﨑賢人がご出演する今作品は、20世紀初頭の北海道で金塊の隠し場所を探す悪党と軍人の冒険を描いた野田サトルの漫画シリーズ(単行本全31巻、累計発行部数は、2024年1月時点で2700万部を突破している)を映画化した『ゴールデンカムイ』。
久保茂昭監督がメガホンを取り、『キングダム』チームが多数参加した今作品は、スペクタクルに手を抜かない効率的なエンタメ作品でした。
しかし、ファンを満足させようとするその熱意は、今作品初見の方にはには敬遠されるかもしれない。
『High&Low』シリーズで知られる久保監督は、大掛かりなセットで十二分に能力を発揮している。
映画全体としては、雪に覆われた景色や豪華な衣装が良く、CGIの🐻や🐺でさえも悪くなかった。
ただ、野田サトルの漫画が全31巻であることを考えると、1本の映画にすべてを詰め込むことは不可能やし、黒岩勉の脚本はその試みに苦戦は仕方ないことやとは思うが。。。
黒岩勉の脚本は、きちんとしたフィナーレを迎える代わりに、佐一の動機の説明と今後の展開の土台作りのためのフラッシュバックが続き、『ゴールデンカムイ』はあっけなく終わってしまったなぁとチョイ思た。
日本映画のマーベライズとでも呼んでも過言じゃないかな。
でもまぁ、その贅沢さゆえに、『ゴールデンカムイ』は矢のように早く走る映画故に、これを書いてるとき改めて振り替えったら、今作品は原作での進み云えば札幌に旅立つ前位やし、まだまだ続くことありきやったし、今作品単体なら大いには満足したかと問われたら消化不良かな。
でもまぁ、アクションはまぁ一流やし、特に殺陣は良かった(杉元と尾形の雪山での闘いは尾形演じる眞栄田郷敦に千葉真一の血脈が見えたかな)。『うんこ』ネタはサブいながらも、糞だけにクソ繰り返されて云われれるとクスッと笑ってしまった。
随所にこにいなクスッと笑ってしまうシーンがあるが、嵌まったら笑える、嵌まらなかったらサブいと思うけどユニークさも兼ね備えた作品やったと思うし、その挑戦するとこも評価できる。
全体的には個人的には良くできた作品やと思います。

余談ながら、カムイはアイヌ語ラテン翻字なら、kamuyで、アイヌ語で、ザックリと書いたら神格を有する高位の霊的存在を意味するそうやけど、仏教の梵字の如く意味合いは深く、アイヌ民族は、人間の周りに存在するさまざまな生き物や事象のうち、人間にとって重要な働きをするもの、強い影響があるものをカムイと呼ぶそうです。
たとえば、動植物や火、水、風、山や川などもカムイであり、カムイは肉や毛皮などを土産として人間の世界にやってくると考えられてること、そして、アイヌに語り継がれる物語には、森羅万象に命があって、人間が大事だと思うものはすべて神様。
そのすべての神様が自分の行動を見ているから、誰から見られても恥ずかしくない行動をしなさい。
なんて、神と自然と人間の関係についての教えがあるんを踏まえたら、生物が生存するために必要な自然の状態や、人間が生活するための社会的な条件を指す言葉の『環境』に近いんかな。
強いては、抹香臭いが、仏教で云うとこの、『色』("色"即是空空即是"色")に相当するんやろな。
余計に難しくなってきましたのでこの辺りで🙇。
あ!それと、アシㇼパって名前の意味ってのがあったし書いときますが、
新しい年(『アシㇼ』=『新しい』+『パ』=『年・時代』)なそうで、彼女は『未来』ちゅう意味として日本語で解釈でき、そこから自身を新しい時代のアイヌの女と考えているそうな。
日本名まであり、『小蝶辺明日子』だそうで、アシㇼパがアイヌ語で『未来』を意味するため、未来→明日→明日子となんか大喜利みたい。
kuu

kuu