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劇場版 美少女戦士セーラームーンCosmos 前編のtubameのレビュー・感想・評価

3.8
最終シリーズの『スターズ編』を原作準拠で映画化した作品。
本作の公開に合わせてYouTubeで90年代に放送された『セーラースターズ』の配信があり、スリーライツ熱が高まったので観賞してきた(前作の映画は観ていない)。


原作漫画は5年以上前に読んだきりだが、そういう自分でも「そうそう、そうだった!」「こんなシーンあったな~」と終始思うくらい原作に忠実な作り。
セーラームーンに関しては原作派・旧アニメ派・Crystal派(2014年以降の原作準拠作品。本作はこの流れを組む)・実写派・ミュージカル派(新旧色々有)とファンが細分化されている印象だが、原作派の人であればかなり満足度が高いのではないかなと思う。
ただ、オープニングがかの有名曲(伏せる意味がないかも)で演出もS時代のオマージュだし、スリーライツの楽曲も旧アニメ挿入歌のアレンジ版だったりと、旧アニメ版のファンへのサービスも多くてバランス取るのが巧いなあと唸らされた。泣く程の熱心なファンではないけど、やっぱり熱い。
前作までの説明ゼロで完全に初見殺しではあるものの、大前提としてファンが観に行く作品であると考えれば充分なクオリティと思う。
今風のキャラデザもキラキラしてて可愛らしい。実はあまり衛のこと好きではなかったけど、普通にカッコ良い少女漫画の男の人でびっくりした...笑
全編通して非常に作画は綺麗で、クリアだけど柔らかい雰囲気のレトロな世界観が良かった。令和と平成のハイブリッドって感じ。


ただ、つい最近まで『セーラースターズ』で30話ほど掛けてうさぎとスリーライツ(もとい星野光)の関係性が深まっていく様子や、スリーライツが火球皇女を探し続ける切なさとか観てきたので、3人それぞれの個性が薄い80分の高速展開を寂しく感じるのは否めない。まあ原作ではスリーライツ脇役だから仕方ないね...。それでもTHE少女漫画な星うさは良かったし、原作準拠の新しい絵柄(男装の麗人)も嫌いじゃない。
スリーライツのことばかり書いてしまったけど、セーラー戦士たちはみんな可愛くて各々見せ場もあり満足してる。推しのサターンが沢山見せ場があって嬉しかったな~。


あと本作は豪華声優陣を揃えているのが見所かな。火球皇女の水樹奈々、ギャラクシアの林原めぐみは存在感が凄い。
前後編なので、かなり絶望的な状況に追い込まれるうさぎ、で終わり。これは後編も見届けるしかなさそう。
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