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シニアイヤーのkuuのレビュー・感想・評価

シニアイヤー(2022年製作の映画)
2.8
『シニアイヤー』
原題 Senior Year.
製作年 2022年。上映時間 113分。

『ピッチ・パーフェクト』シリーズなどのレベル・ウィルソンが主演を務め、昏睡状態から20年ぶりに目覚めたヒロインを演じるアメリカンコメディー。
映画『ロマンティックじゃない?』に続くレベル・ウィルソンの2回目のNetflixコラボ(ブランドン・ジョーンズとも2度目コラボかな)。
偶然にも、両方の映画は、昏睡状態からのレベル・ウィルソンのキャラをやなぁ。
共演はゾーイ・チャオやサム・リチャードソンら。
監督はアレックス・ハードキャッスル。
余談ながら作中、ステファニーの寝室には、映画『クルーレス』(1995年)のポスターが飾られている。
『クルーレス』で主人公を演じたアリシア・シルバーストーンは、本作でディアナ役でカメオ出演してました。

ライバルの陰謀にはまり、 こん睡状態に陥ってしまったチアリーダーのステファニー。
20年後に目覚めた彼女は、 高校の人気者の座を取りもどすために大奮闘。

今作品はライトな映画やった。
何十年も昏睡状態だった後、高校に戻って、昔の生活と新しい現実に取り組む。
この前提はコメディの可能性を持っているが、物語というよりは寸劇のようなものかな。
脚本は数々の仕掛けを試みているが、イマイチ役に立ってなかった。
恋愛はバレバレで、ドラマは不誠実、動機も弱いし、登場人物は一貫性がなく、メッセージはちぐはぐに感じた。
さらに、結末は急ぎすぎかなぁ。結局のところ、すべての筋書きは表面的な幻想のようにうつった。
今作品は、ポジティブでパワーあふれるカラーやデザインが派手なアイテムY2K(確かに再燃してんのはたしかやけど)への言及があったり、醒めたジョーク、レベル・ウィルソンのおちゃらけた演技のための手段であるのは仕方ないが。
たまに面白いこともあったけど、ほとんどサブかった。
なんて云うのかなぁ元気あるように見えて生命力がない。
サウンドトラックはノスタルジックな雰囲気を醸し出しているが、面白さはそこで終わっている。
エフェクトは光沢のあるグラフィックやけど、どうも説得力のないチアリーディングのスタントもある。
映像は基本的で不毛。
また、露骨なプロダクト・プレースメント(映画やテレビで主人公が商品・サービスを使ったり、特定の場所をよく訪れたりすることによって、生活者への印象付けを図る)があり、演技は強引で(時には耳障り?目障り)、演出スタイルも存在しないんちゃうかと感じた。
編集は、唯一ダンスシーンで若干のエネルギーがあるものの、テンポが悪くなっている。
さらに、キャストはかなり無名で、十分に活用されていない。
若い俳優さんは美男美女がそろってんのに残念。
全体として、今作品は細々とした技術を提供し、そのユーモアだけで楽しませることを期待している。
残念ながら、そのユーモアは限定的であり、映画は平坦に終わっているかな。
申し訳ないけど嵌まらなかった。
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