アルパカメタル

少年たちの時代革命のアルパカメタルのレビュー・感想・評価

少年たちの時代革命(2021年製作の映画)
4.0
『理大囲城』の方が正直楽しみだったんだが、食らいまくってしまった...。
実際のデモの映像が交錯する劇映画。2019年の民主化デモ以降、香港映画は注視してきたのだけど、劇映画というところもまだまだ新しいよな。

デモに参加する少年少女たちの群像劇。自死による若者の抗議運動が実際起こっていることは知っていたが、今にも自死を決行しようという少女とそれを止める少年少女たちの話がメインストーリー。ある意味この構図は『桐島、部活やめるってよ。』のように対象を描かないという描き方もあるはずなのだが、それをしなかった。つまり、自死に向かおうとする少女が、フィクション上の人物ではなく、今の香港のどこかにいる人なのだと実感させるという意味で「よくやってくれたな!」と思った。当たり前の自由を追い求めることが、どこかで分断を生むなんてあってはならないことだ。

今もなお香港で抵抗する人々に、レックス・レン、ラム・サム両監督に連帯していきたいと強く思った。
(レックス・レンは劇中に警察官の役で登場)