HAYATO

手のHAYATOのレビュー・感想・評価

(2022年製作の映画)
3.7
2024年179本目 
おじさんは好きだけど….
日活ロマンポルノ50周年を記念し、気鋭の監督3人がそれぞれ作品を手がけるプロジェクト「ROMAN PORNO NOW」第1弾
山崎ナオコーラの短編集『お父さん大好き』に収録された小説を、『ちょっと思い出しただけ』の松居大悟監督が映画化
中年男性の写真をコレクションするのが趣味のさわ子は、これまで付き合ってきた男性も年上ばかり。それなのに、なぜか父親とはうまく話せない。そんな彼女が、同年代の同僚・森との距離が縮まっていくにつれて、次第に心境に変化が訪れる。
主人公・さわ子役を『LOVE LIFE』の福永朱梨が演じる他、『殺さない彼と死なない彼女』の金子大地、『首』の津田寛治、『神は見返りを求める』の田村健太郎、『八日目の蝉』の宮田早苗、『Fukushima 50』の金田明夫らが出演。
新人監督の登竜門・ロッテルダム国際映画祭出品作。松居監督作品の同映画祭への出品は、『アズミ・ハルコは行方不明』以来2度目。
R18+というだけあって濃厚な性描写が刺激的である一方で、等身大の若者たちの姿を切り取った人間ドラマ的な要素にも深みがあるロマンポルノだ。年上の男性に興味を持ちつつも、無自覚な優位性を自負する彼らに対して冷静かつ痛烈な態度をとるさわ子のキャラクターが印象的で、彼女の年上男性に対する感情は必ずしも性愛から来ているものではないという感じがする。
興味や好奇心で繋がるおじさんとの関係性とは対照的に、さわ子と森の関係性はコミュニケーションで繋がっていったように見え、森との出会いをきっかけに、なんとなくフラフラ生きていたさわ子が少しずつ大人になっていく成長が見てとれた。
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