あおき

ザ・メニューのあおきのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・メニュー(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

●タイラー…シェフの理解者ヅラをしたグルメ気取りのド素人オタク。しかもマナーが悪い

●役者…シェフとコネクションがある、とのさばる虚栄心の塊。作品を壊す大根役者

●評論家…数々のレストランを上から目線かつ個人的見解で評価し、経営に影響を与える

●出資者の部下3人組…食べた事実で箔をつけたいだけのインスタグラマー的メンタルの持ち主、出資者側の横柄な人間

●セレブ…貴重な体験を繰り返しておきながらその細部を記憶していないし、味の違いもわからない、あぶく銭の浪費家。
(マーゴを特殊性癖プレイで雇ったことも覚えてない)

●母…???

●シェフ…ブチギレた「作り手」

●マーゴ…無駄に気取ってないものを普通に美味しく食べたい。消費者とは本来それ以上でもそれ以下でもないことを思い出すことができた一般人

…シェフを映画監督に、それ以外を鑑賞する側や、直接製作しない映画関係者に置き換えると……。


***


よく分かんないサイコスリラー…っぽいけど、実際のところ映画業界の「作り手」以外に向けた皮肉たっっっっぷりのダークコメディーである様子。いやー!真面目に見ちゃったよ!!

「ドント・ルック・アップ」でこれまたダークすぎる皮肉コメディを作ったアダム・マッケイが製作に関わってるというのがエンドロールでわかると「あ、笑って良かったやつか……」となる。

もうちょっと色々と自然にして欲しかった感はある。直前の食事会まで普通に経営していたっぽい描写があってそことの境界がハッキリせずに混乱した、とか。
あと同伴者(役者の付き添い女性とか)は殺される理由も無い人もいたので可哀想!!ってなった、それもギャグなのだろうけど

…いや、そういう細部の気になるポイントも、自分みたいな評論家気取りの映画鑑賞者がネチネチ言うのを待っているよう仕込んでるんだろうな…ヒェエ〜。

趣味にマウンティングやら過度な洞察力なんかが水面下で求められている現代に『あれこれ過敏に味わわず、ただ食べろ(観ろ)』と警鐘を鳴らす映画。


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チーズバーガーがキャリアの始まりってのを見逃しちゃったのでクライマックスで「???」てなったのが残念(ごめんなさい)
あおき

あおき