ゆうころころ

カラオケ行こ!のゆうころころのネタバレレビュー・内容・結末

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

原作未読、予備知識なし、「紅」の知識もゼロでの鑑賞です。

異なる世界にいた二人がカラオケを通して築いた友情、でもそれは永遠ではなくこの一瞬だけ、というなんとも切なさの残る青春映画でした。


私は学生時代に吹奏楽部に所属していて全国大会を目指していましたが、他の部員のモチベーションは低く奮闘していました。まさに和田くんでした。和田くんに感情移入しまくりだったので、全く和田くんに気をかけてくれない聡実くんにヤキモキしました。それゆえにラストで合唱祭を抜け出してしまったときには複雑な気持ちになりました。一年前まで全国大会に出ていた強豪校で過ごした三年間を棒に振るなんて!この結末に納得できるのかドキドキして見守っていましたが、聡実くん、いや「先生」の歌と狂児との回想シーン、そして深掘りした「紅」の歌詞の意味がトルネードのように胸に迫ってきました。本当の16歳の男の子が演じてるという、ある意味ドキュメンタリー映画のような感動でした。

聡実くん役の齋藤潤さんはとてもいい俳優さんだった。普段はふてぶてしいのに、ヤクザに囲まれた時に狂児の腕にしがみつくところ可愛かった!聡実くんが副部長と腕を組んでいるところを狂児に見られてしまい、「三角関係やと思ったんやろ!」とキレているシーンもキュンキュンです。どうやら原作ではBLの要素が強いらしいのですが、映画では薄くしているようです。確か歳の差がある二人だから実写化にするにはその要素は危険かも知れませんね。